【短編推理小説】五十部警部の事件簿
事件その25
四人の囚人がその夜に脱獄した。
四人はその過去からの関係を知られずに同じ雑居房に入れられたのだった。
その夜の嵐と落雷による停電に乗じて四人は隠していた鋭利な糸鋸を使って鉄格子の一部を切り取り、その隙間から手を伸ばし外から鍵穴を針金を使って開錠したのだった。
彼らのうちの一人はこうした仕事のプロであった。
逃走に際して彼らは看守から拳銃を奪っていた。
四人は以下の通りである。
鎌田太郎。飯田正雄。木戸孝光。友永幸吉。
連絡を受けた五十部警部らは必死に四人の行方