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かわいいグラスを買ったら生活が華やいだ話

食器やインテリアを見るのが好きだ。でも、見るだけ。だって素敵な食器やインテリアってそこそこのお値段がするし、お手入れも大変。ガサツな私には身の丈に合わない高嶺の花なのだ。

2年ほど前に、カルヴァドスというりんごのブランデーを好きな旦那がブランデー用のグラスが欲しいと言ってふらっと立ち寄った雑貨屋さんで晩酌用のグラスを買った。高価な物ではなかったけど、気に入ったグラスで飲むお酒はおいしい、ゴロリも気に入ったグラスを見つけたら買うといいよとよく言われていた。

そうやなぁと言いつつコレというものが無かったので麦茶と同じコップで酒を飲んでいたある日、家から少し遠い所にあるお店でかわいいグラスを見つけた。グラスっていうかタンブラーらしいけど。

何かと動物モチーフ選びがちな私のハートを掴んで離さないフクロウの模様。正直コレがお酒を飲むためのグラスなのかと問われればよくわからん。が、私は!このグラスで!色々!飲みたい!と強く思ったわけで。

本来ペアで売ってる物なのかはよくわからないけど私が見たお店ではバラ売りしていた。他にも買わないといけない物があったので割れ物だし後で買おうと思っていたら時間がなくなり、結局その日は買わずに帰った。それがもう1年以上前の話。ネットで眺めては買い物かごに何度も入れたのに「やっぱりお店で買いたい」と謎のこだわりを発揮させるも買いに行く機会がないままに月日は流れた。何か飲むときに旦那にどのグラスにするかと聞かれるたびにフクロウのことをうっすらと考えた。次に行ったら絶対に買おうと思っていたその機会がついに訪れた。

一年余の時を経て、今度は時間切れにならないように一番初めに店に行き、即購入。お店の人も丁寧に梱包してくれて、大事に大事に持ち帰った。その日から何か飲もうかなというときは必ずフクロウに注いだ。お茶も、お酒も。「お気に入りのグラスに飲み物を注ぐ」ということがちょっとした幸せを運んでくれる。旦那にも、何度も「これかわいいやろ」と自慢した。もちろん食洗機には入れず丁寧に手洗いし、他の食器たちが嫉妬してもおかしくないくらいに特別扱いしていた。

もうこんなこと書くのも嫌なんだけど、そんな思い入れのあるグラスを私はたったの4日で落として割ってしまった。買い物から帰って買ったものを出しているときにたまたま近くに置いたバナナがバランスを崩してありえない倒れ方をしてフクロウを巻き込み、あっけなく私とフクロウの日々は終わりを告げた。割れるような場所に置いていたつもりは無かったけど、私の危機管理に対する認識が甘かったのだろう。自分が嫌になるとはまさにこのこと。

破片を拾い集めながら心底自分に嫌気がさしていた。また買えばいいよ、ガラスは落としたら割れるものだからと旦那は言ってくれたけど、なぜ私はモロゾフのプリンの空き容器は後生割らずに使ってるのに気に入って買ったフクロウを割ってしまうのか。また同じものを買ったとて、割ってしまうのではないかと買う前から手が震えそう。

そんなわけで今日も私はモロゾフの空き容器で色々飲んでます。


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