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片倉佳史さんとの対談で台湾人家庭でよく食べられている野草を使ったお粥について話しました。

今回の対談は烏甜仔菜糜 (oo33-tinn33-á44-chhài53-môe224)についてです。糜(môe/moâi/bê)というのは台湾語でお粥のことです。

烏甜仔菜糜 (oo33-tinn33-á44-chhài53-môe224)

 台湾語で烏甜仔菜 (oo33-tinn33-á44-chhài21=台湾語/中国語では龍葵long35kui35) と呼ばれる野草は日本語でイヌホオズキと呼ばれています。ナス科ナス属の植物で、ホオズキやナスに似ているけども役に立たないことからバカナスとも呼ばれているそうです。台湾語では烏子仔菜(oo33-chí44-á44-chhài21)、烏鬼仔菜(oo33-kuí44-á44-chhài21)という言い方もあります。世界の温帯から熱帯にかけて広く分布する植物で、日本全土にも分布しています。日本でも台湾でも畑や道端、民家の庭先などで 1 年中生息し、日本では雑草として扱われているようです。1 センチぐらいの小さいトマトのよう形の果実がなり、熟すと黒い色になります。この果実も台湾では食べられています。

烏甜仔菜糜 (oo33-tinn33-á44-chhài53-môe224)

 この烏甜仔菜(イヌホオズキ)にはソラニン (龍葵鹼 long35kui35jian214=中国語) という神経に作用する毒性があり、頭痛、嘔 吐、胃炎、下痢、食欲減退を起こすと言われています。大量に摂取した場合は、昏睡状態に陥り、死亡する場合もあるそうです。

 日本では食用に使われないようですが、台湾家庭ではスープやお粥の食材としてよく使われますし、熟した黒い果実もおやつとして食べられています。僕の妻も小学生の頃、学校の帰りに道端で烏甜仔菜 (oo33-tinn33-á44-chhài21) の実を見つけると、実をもいで、よく食べていたそうです。

 台湾では市場でもたまに買えますが、家庭菜園をやっていると種がどこからか風によって飛ばされてくるのか、鳥が運んでくるのか、よく自然に生えてきます。我が家でも妻の実家でも自然に生えてきたものを育てていて、時々食用にしています。

烏甜仔菜 (oo33-tinn33-á44-chhài21)をゆがいたもの
烏甜仔菜 (oo33-tinn33-á44-chhài21)

今日はちょっと簡単な台湾語を紹介したいと思います。
 
お粥は台湾語で糜(môe224)と言います。僕はこの発音を使っていますが、他にもいく つもの発音があります。例えば moâi224 や bê224 などです。米粒が細かく水っぽいお粥は泔糜仔(ám44-môe33-á53)、餅米で作る甘いお粥は米糕糜(bí44-ko33-môe224)と呼ばれています。どろどろ、ぐちゃぐちゃになった状態の泥道を指して路糊糜(lōo21-kôo33-môe224)または漉糊糜(lo'k3-kôo33- môe224)と言ったりもします。

「お粥を食べたい」は、Góa44beh53chia'h3môe224(我欲食糜)
「とてもおいしい」は、chiânn33 hó44-chia'h3(hó44-chia'h4) (誠好食)や chiok4 hó44-chia'h3(足誠好食)とかchin33hó44-chia'h3(真好食)
「ご飯食べる(食事する)」= chia'h3pn̄g33(食飯)
「麵を食べたい」は、Góa44beh53chia'h3mī33(我欲食麵)
大袈裟に表現する時はiáu44-siū21hó44-chia'h3(夭壽好食)と言います。
夭壽(iáu44-siū33)は他人を怒る時などに使う荒っぽい表現で、ひどい、短命、寿命が短いのなどの意味がありますが、”非常に何々だ ” の意味で使うこともあります。元の意味がよくない意味で綺麗な表現ではないなので、友人の前でふざけて大袈裟に表現する時などに使ったほうがいいですね。

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