台湾麵=切仔麵(chhe'k-á-mī)
台湾を代表する麵は油麵(iû-mī : イウミィ)と呼ばれる麵で、1890年代にはすでに台湾で食べられていた記録が残っているそうです。
油麵は製作過程で菜種油やピーナッツ油を使用することから油麵と呼ばれています。油を加えることで香りがつき、麵の仕上がりがつるつるになり、光沢も増します。それに塩も加えてあることから微妙に塩っぱい味もあります。上質の油麵は潤いがあり、また、油と塩のおかげで、台湾のように湿気が多く蒸し暑い気候でも比較的品質が保たれるそうです。中力粉が使われ、かん水(アルカリ塩水溶液)と塩、水を混ぜ、よくこねて麵生地にした後で圧麵機で薄く伸ばされて作られます。生地の中に少量のかん水(アルカリ塩水溶液)が加えられているので、麵に歯ごたえがあり、色も黄色味を帯びています。
写真の麵料理は台湾北部でよく見られる油麵(iû-mī)を使った切仔麵(chhe'k-á-mī : チェッガミィ) と呼ばれるものです。
日本のかけ蕎麦やかけうどんのように非常にシンプルで、一般的に具はニラやモヤシぐらいしか入っていません。 この店のものはエシャレットを揚げたものがトッピングされています。切仔麵は七分目ぐらいに茹でた油麵をニラやモヤシと一緒に、持ち手が付いていて底が少し深いザルに入れ、沸騰したお湯の中で数回上下に振動させます。その時に心地良い音がしますが、chhe'k(チェッ)はこの動作を表しています。漢字の「切」は当て字です。
戦前、台湾北部・蘆洲に住んでいたある人が湧蓮寺の近くで切仔麵を売る屋台を始め、それを引き継いだ弟子が戦後も屋台で売り続けて、生活の糧としていたらしいです。その後、中南部から職を求め北上し、北部の蘆洲に流れ込んで来た人達が相次いで真似をして、切仔麵の店が林立することになったようです。
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