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白杯|アポロ賞六句(第五位)白

初恋の鼓動は鶺鴒のリズム

上善は水の如し。

 大きな力を持っていても、奢ることがなく、皆が嫌がるようなこともさらりと引き受け、常に柔らかでいる。

 そんな「水」のような生き方をしたいと思う。

☆国語教師。noteにて精力的に俳句を発表。
第二回みんなの俳句大会白杯(主催・審査員)


◎講評

初恋の鼓動は鶺鴒のリズム

鶺鴒は    せきれい    と読む。可愛い小鳥だ。
日本神話の時から棲息している。ということを選者アポロは恥ずかしながら最近知った。
ほかならぬこの作者の記事、コメント欄で。

豆知識はさておき、作品を鑑賞しよう。
この句にはひと目で強く惹かれた。
文体が美しく、リズミカル。「リズム」そのものと言いたい。

初恋、鼓動、鶺鴒。漢字二字をみっつも重ねると、普通は単調な凡句になりがちだ。
だが熟語の間に配置したひらがな(の・は・の)とラストの「リズム」が上手かった。

特筆すべきは句またがりの成功である。
見た目はリズム、読んだ時はメロディ、どちらも楽しめる工夫がなされている。
試しに声に出してみると良い。

はつこいのこどうは・せきれいのりずむ

何とまあキラキラしてる歌詞だこと.......!
初恋中の初恋に違いない。
この世界観に、鶺鴒のちょこちょこ動く姿がピッタリ合っていて、微笑ましい。

鶺鴒は異名、石叩き。尾羽が小さな音たてて、秋の小さな恋を応援しているようだ。
あるいは、恋をしている自覚に至らないほどの鼓動、かすかな羽音なのかもしれない。

五七五で読むと、「せきれ・い」のリズム。
尾羽がぱしんと石を叩く一瞬を表現したか。
意識的工夫ならば、大したものである。
面白い試みだと思った。

余談だが作者は今回の「白杯」主催・審査員という立場にあり、自作品の審査には関わっていない。
他の審査員の評価が、俳人・白の進歩を励ます力になれと願う。

出会えてよかった!ありがと🙌

ラブあんどピース🏆

アポロ

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