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吃音の悪化で右往左往

3番目の子、ミコの吃音のことで落ち込んでいる。年明けに、急に吃音の様子が変化し、先日、定期的に面談してもらっている言語の先生のところに行ってきたら、やっぱり悪くなっているとのことだった。

先生は、ミコの様子に顔がくもり、「ブロック(発語しようとしても言葉が出ず、気道が詰まったような状態になること)に移行してしまいましたね…」と言った。

ブロックが出ても、年齢的にはまだ改善の希望はあるが、悪い兆候であることに変わりない。やっぱり、「とととととと、ともだちがね」と言えていた時の方がまだ良かったのだ。

先生の前で、ミコと2人で遊んでみるように言われる。前回言われた通りに、私はゆっくり話すように気をつけるが、小さな街を模したおもちゃで、ミコは1人で遊び、その説明をときどき私にする。私は一緒に遊ぶというよりは、ただ見守るような形になり、何が正解かよくわからない。先生はその様子をものすごい勢いでメモしていて、なんだかプレッシャー。

「いつもこんな感じで遊んでいますか?」
「いや、家の中で二人だけで遊ぶって、ほぼないです。保育園の帰りは、家に入る前にいつも外で少し遊んでから帰りますけど、家の中にいるときは、私は家事か上の子の世話をしていて、ミコは勝手に何かで遊んで、時々話しかけてくるので会話するって感じです」。
「そうですか。1日15分でいいので、室内で二人きりで遊ぶ時間はとれませんか?」
「上の子がいるときは、無理です。上の子は、自分中心でないと泣き叫んで抗議するので…。何か強制的に二人きりになる方法を考えないと不可能ですね…。あの、何かトレーニングを開始するとか、他にできることはないですか?」
「トレーニング開始というより、今後はご家庭での負担が増えると思います。次回は話が長くなるので、お母さんお一人で来てください」。

ということで、今回の面談は終わった。

吃音はまだ原因がハッキリとは解明されていない。しかし、家庭環境を変化させることで改善に転じることがあると言う。次回はきっとその説明があるんだろう。親がゆっくり話す、吃音を注意したり急かしたりしない、などの注意事項に加え、また親への課題がたくさん出されるはずだ。

気が重い。我が家は障害のある2番目のニンタが中心になってまわっているし、私も心身共に健康とは言い難い。環境が悪いことは重々承知しているが、ギリギリのところで家族を保っているのに、これ以上の課題を出されても出来る気がしない。

といって、ミコに「ごめん!吃音はあきらめて!」というわけにもいかない。

でも家庭環境を改善したら、必ず吃音が良くなるという保証もない。親が後悔しないように出来るだけのことをやる、という意味合いが強いような気がする。

またその次の日は、ニンタの障害児一時預かりの日だったので、連絡帳に「ミコの吃音が悪くなってしまい…」という話を書いた。ニンタが3歳からお世話になっているその施設の先生は、ニンタの病気のこともミコのことを含めたうちの様子もよく知っている。「吃音は親のせいではないですよ!成長と共によくなります、ゆったり構えてください」と涙の出るようなことが返事に書いてあった。

とてもありがたい言葉だったが、親のせいでないなら、なぜ家庭環境を見直さないといけないのだろう?親の作ったこの環境が悪いから、変えていく必要があるんでしょう?

いけない、いけない…。また自分を責めるモードになっている。家庭環境が悪いのは認める、しかし私が息を詰めてしまっては、更に環境が悪化する。変わるべきなのは私なのだ。それも努力とか我慢とか辛抱という方向でなく、より楽しく、幸せな方向へ。私が奥歯を噛み締めて毎日15分ミコと遊んだだけで治るほど、吃音は簡単なものではない。

親も子も、楽しくて自然と笑ってしまう、力の抜けた環境、関係が必要なのだと思う。

とすると、私が唯一我が家で良いことだと思っていた「早く寝る」を切り捨てないといけない気がする。早く寝るために、私はいつもせわしない。

ああ…。たった一つの長所までなくなるのか…。

でもその代わりに何か楽しいことが増えるのなら、それはそれでいいけれども。でも思いつかない。だって寝不足だと機嫌が悪くなるから、早く寝ていたのだ。夜ふかしして遊んで、何かいいことがあるんだろうか?

ぐるぐるぐる…。

次の面接では、無理なことは無理だと伝えて、こんな状況、こんな私でも出来ることは何か、という視点で相談に乗ってもらおう。ただ厳しく突き放されるだけかもしれないけれど、それは先生の立場上、仕方ない。「吃音を治してあげたいです」「でも私は努力したくないです」なんて親は、お話にならないだろう。

やれそうなことはやるが、私も私なりに考えてみよう。私が何か楽しくなれることを。こどもにも伝播するくらいの、アガる方法を。

私の場合、それが一番難しい課題であると、わかってはいるけれど。

※追記。吃音って、なんで治さないといけないのー!本人も周りも気にしなきゃいいでしょうが!…という気持ちは変わらずあり。しかしそんな世の中じゃないこともわかっているからこその、右往左往…。

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