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六月某日 好きこそものの上手なれ

「人生を通して何を成し遂げたいか」「どんな大人になりたいか」。
「キャリア」について考える際に、よくそんな問いを投げかけられる。
自分が到達するべき「何者か」像があって、そこから逆算して現在を生きなさい、ということらしい。

でも、人生ってそういうことじゃないんじゃないか。
それを成し遂げたいから取り組むんじゃなく、こんな大人になりたいからがんばるんじゃなく。無我夢中になって生きていくうちに、いつのまにかできているもの、なっているものなんじゃないか。

時折、努力が必要とされろ目標が立ってしまうこともあるだろう。その時初めて、未来から現実を逆算して取り組めばよい。
「○○歳までに××したいから今はこれをやっておかなきゃ」「こんな大人になりたいから今はこれをしなきゃ」なんて考え方は大抵必要ない。
まして、「何をしたいかわからない」「どんな大人になればいいかわからない」なんて悩みは、多くの場合ナンセンスである。

今この瞬間をどう生きていくか、その積み重ねの先に初めて自分のすがたが表れてくる。
先回りしてそれを見ようだなんて、ましてそれに向かって努力しようだなんてするもんじゃあない。

なにかを目指して努力することが無意味だとは決して思わない。
むしろより良い今日を生きるためには大変有意義なものだろう。
ただその結果として得られるのは、ゴールに一直線に向かう「進捗」ではなくて、副産物的な経験値にすぎないんじゃないか。

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