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『らんまん』第130回 永遠に名を残して


 万太郎は北海道での講演の帰り道で、仙台に立ち寄りました。東北帝国大学からの招きを受けたのです。

 とっとと寿恵子の元には帰れよ! そう突っ込まないでください。これも理学博士の責務ですからね。


おまん、誰じゃ?


 そこで万太郎は、不思議な笹を見つけます。葉のほとんどが外側を巻き込んでいる。これは新種だと思ったのか。万太郎は、「はじめまして」と声をかけます。


新しい酒とともに


 翌年四月、竹雄と綾が沼津から上京してきます。手にした新しい酒の名は「輝峰(きほう)」としたとか。人の営みとともにある名前にしたかったと綾はしみじみと語ります。

 鰹など、高知の味が並ぶ前で、酒を飲む寿恵子。しみじみとおいしいと言います。万太郎も酒がうまいと思ったのは初めてだとか。みなおいしいと口にする中、毎日飲みたいとはしゃぐ千鶴が末っ子らしいおおらかさがあります。この愛らしさは確かに将来松坂慶子さんになる資質がある。とてもかわいらしい。

 寿恵子は明るい酒だと感謝し、まるで晴れた日のようだと言います。染み入るような笑みを浮かべる綾。佐久間由依さんの笑い方が歳月を重ねた老婦人そのもので、すごいことだと思います。しみじみと流れる劇伴も美しい。万太郎はくいくい飲むところで味の良さがわかり、竹雄はすかさず心配しています。カエルになる前にと前置きしつつ、新しい酒を作った二人を祝う万太郎。

 酒蔵におなごは入れぬと叱られたあの綾は、ずっと夢を忘れなかった。竹雄はそれを支え続けた。一度挫折しても立ち上がり、さまざまな困難を克服した綾。彼女のストーリーも見事でした。


 竹雄は万太郎の成果をみて、しみじみとその努力を評価しています。万太郎はそれでもまだ、一心不乱に取り組んでいます。もう一種類、今から新酒を加えるのだとか。それはあの仙台でみつけたササです。その美しさ、魅力を熱心に語る万太郎。まるで絶世も美女を見たような調子です。

みんな、ありがとう


 蝉の声を聞きながら、寿恵子は縁側にいます。そこへ万太郎がやってきて、分厚い図鑑を見せます。ついに、わしらの図鑑ができました。

 この図鑑は小道具担当者の努力の結晶です。

 というのも、当時の印刷物らしく、本作の固有名詞を使っていると。文章を考えてフォントも調整して作る。これは相当大変なんですね。ダメなドラマだとそのまんまIllustratorで作った感が出まくるけれども、このドラマはちがう。

 池田蘭光。

 里中方生。

 野田基善。

 田邊彰久。

 徳永政市。

 大窪昭三郎。

 波多野泰久。

 藤丸次郎。

 堀井丈之助。

 山本虎鉄。

 野宮朔太郎。

 山元千歳。

 槙野百喜。

 槙野大喜。

 槙野千鶴。

 そして、槙野寿恵子。

 さらに園子。

 巻頭に今まで世話になった人々の名前がならびます。こうして並んだ名前を見ていると、これまでのことが思い出されて感無量です。

らんまんじゃ

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