『水都百景録』を楽しもう！「魚玄機」

　「阮籍と嵆康」はちょっとお休みして、魚玄機のことでも。

趙痩というよりむしろ楊肥というべき彼女

　武則天。小蛮。そして魚玄機。聶隠娘はそうでもないけれども、唐代美女はグラマーです。唐代ものは女性のバストを強調して時代らしさとサービスを両立させることがよくあるのですが、本作では顎や顔の輪郭で表現していると思えます。

　唐代はぽっちゃり美女の時代です。　ちなみに宋や明でも「唐代美女、ちょっとぽっちゃりしすぎじゃね？」というツッコミはあったようでして。唐三彩の仕女俑などを見てもグラマーです。
　三国志ものの映画のギャグで、ぽっちゃり美人を貂蟬にしたギャグがあったそうなんですね。今時つまらないし、彼女は唐代ならば美女ど真ん中だと思います。

　そんな唐代美女である魚玄機はグラマーです。楊貴妃も実装されたらきっとそう。

　中国では、痩せ型美人とぽっちゃり美人をこう呼びます。

趙痩：前漢成帝の皇后が由来
楊肥：唐玄宗の楊貴妃由来

　彼女が実装された理由は、グラマー美女だから？　いや、ジェンダーでしょうね。

森鴎外も題材にした

　潘安が特典の時点でわかりきっておりましたが。嵆康に、魚玄機と。藍玉はいつ日本に来るかな。
　ちなみに森鴎外の『魚玄機』は青空文庫で読めます。ぜひどうぞ！

『水都百景録』とジェンダー

　『三国志』の時代に関わる人物で、周瑜は閑人で謝道韞は特殊住民という本作。謝道韞は中国史を代表する才女です。彼女は男性相手でもきびきびと言い返し、「竹林の七賢みたいな雰囲気がある」と評されたほど。女性版阮籍と嵆康だなんて素晴らしいですし、女性だろうと才知を発揮したい人は昔からいたという代表格です。