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『カムカムエヴリバディ』第22回 芋飴を売り続ける

 昭和20年(1945年)、稔は戦死。雉真家から再婚を勧められた安子は、勇の手引きで抜け出し、実家にも戻らず一人暮らしをすることになりました。

プロットがまるでスマホゲー広告

 だんだんとシナリオがぶっ壊れてきました。
 藤本有紀さんに思うところはありません。が、雑なところはある。自分がこうしたいという着地点を設定し、そこに向かうまで割と雑に積み重ねることがありませんか? 『平清盛』で平滋子が天然パーマで、それをめぐる回がありました。そんなもん鬘でもつければ終わる話だろうとどっちらけて見ておりましたが。あのドラマは特段嫌いでもありませんが、ところどころああいう雑な力技があることがいやでした。

 その欠点がモロに出ている本作。
 美都里の鬼姑設定がまだらのようで、そこまで孫に執着しているかどうかもわからない。あそこまで危険人物なら刺激しないとか。刺激発生源の安子を遠ざけるとか。色々あるだろうに、そういうことをせず、ありのままに暴走させてる。設定ありきの概念擬人化でしらけます。
 リアリティのあるダメ人間は、『おちょやん』のテルヲくらいの作り込みが欲しいんですよね。美都里は見ていて不愉快通り越してもはやギャグ。そこにいるだけで笑う。

 勇も概念の善人。あと彼は発声がいちいち乙女ゲー宣伝材料のイケボのよう。どんなセリフでもキメキメにしないでください。これはナレーションもそうだし、安子もそうですけど。もっとふつうにしゃべってください。

 それと現場のやる気もないのか。照明効果が無茶苦茶では? 冒頭は夜明けだから真っ暗ということはわかりますが、あそこまでのべーっとした暗さにする必要ありますか? メリハリが全然ない。手抜きでちゃちゃっと作ってますな。やる気ことはようわかりましたわ。
 あとるいの髪型。あの時代ならおかっぱでしょうに。中途半端でもうわけがわからん。
 
 安子が材料が高くて困っているところは描かれましたが、調理器具はどうしたんですか? そんな借りた家にたまたま芋飴作る一式が揃っていたんですか?
 このあたり調査不足でしょう。
 和菓子売りで食っていけるかどうか。ああいう嗜好品はもうちょっと余裕がなければそもそも売れないでしょう。安子の実家が惣菜屋で、頼まれて惣菜をぼちぼち売り始めたという設定ならわかる。和菓子で売って食べていくなんてどう考えても無理がある。
 安子がアホだからプロットが成立する。そういう手抜きは勘弁してくださいよ。

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