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『ちむどんどん』第74回 戦争は終わっていない

 ウークイの夜、優子が語る戦争。遺骨収集の理由とは?

優子の戦争は終わらない

 月と火で導入。水曜日に過去回想。今回はその続きかつ、心に抱えたものに迫ります。
 優子が遺骨収集を一年に一日だけでも続ける理由。多良島が記事を書いた理由。房子が援助する理由。それは全て沖縄戦という過去につながるとわかります。
 複数の伏線を、祈りと共に回収し、ウークイへとつながる秀逸な脚本でした。

仲間由紀恵さんの「朝ドラヒロインの母」

 朝ドラヒロインの母――この役目だけが一人歩きして、ともかくその位置を演じればステータスシンボルになるという邪念ありきなのかと思たのが『カムカムエヴリバディ』でしたね。確かに役所としてはそうだけど、母としての器量も風格もないるいは、どこがそうなのか疑問でしたが。あんなものはヒロインとヒロイン母を演じて一石二鳥という、広告代理店じみた無粋の極みだ。

 今回の仲間由紀恵さんは圧巻でした。
 弟が腕の中で冷たくなっていったと微かに震える動き。演じるというより語るうちに涙がこぼれてきてしまう繊細さ。我が子を抱きしめ、抱きしめられるそのぬくもり。
 死んでいった弟によく似た息子を溺愛してしまう気持ちも。我が子に幸せになって欲しいと願う気持ちも。
 語られなかったけど、人生経験が優子を形成していた。そのことがすごくわかる。そういう重たい役柄を演じた仲間由紀恵さんが素晴らしい。
 
 横浜鶴見でウークイをする光景もすばらしい。本土でもこうして思いを伝えているとわかって、朝から圧倒されました。

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