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『舞いあがれ』第8回 ばんばでも失敗する

 舞はばんばこと祥子のお手伝いをして、自信をつけました。

時間厳守は大事

 祥子は瀬取りで釣り客を残していきます。潮の流れもあるし、2時には来ると告げます。

・約束は3時、飛行機は4時半
・祥子は余裕をもって3時に来るという

 何か嫌な予感がします。ナレーションも不穏でしたし。飛行機の時刻という期限がありますからね。

めぐみは完璧主義者であり

 東大阪では、めぐみが実はちょっとホッとしています。そんな自分が冷たいかもと責めてしまう。めぐみは14年前、無理だという母に啖呵を切って五島を飛びました。それで見返すために母親として完璧であろうとした。
 そんな気持ちが五島で解き放たれたみたい。
 めぐみが夫や子供に何もさせなかったのは、甘やかすだけではなく、過剰な完璧主義ゆえなんですかね。浩太はむしろ気がつく性格ですし。

めぐみ丸

 舞は気付きます。船の名前は「めぐみ丸」。長女の名前をつけると縁起がいいってさ。
 これも不思議な話で、「丸」って男児につけるもの。それが転用されているもの。なので「長女」に「丸」っておかしいんですね。でも、これがいいのかもしれない。 
 このドラマは意識的にシスターフッドを描いていると思えます。女系継承の話ともいえる。船長である祥子は、祖母でも良かったはず。そうでなくて祖母で、孫が海から空へ、その意思を継ぐ。意識的にジェンダーを考えていると思えます。
 ドラマの第一回冒頭で、女性の機長が珍しいという言及もありました。

 そういう屁理屈でなくて、ここは孫に会えてうれしい祥子と、はしゃぐ舞をみろってことですけどね。
 でも、ばらもん凧にしたってそうなんです。これは鬼に侍が立ち向かう絵柄だと説明されます。男児向けですよね。男児は強いお侍を目指せというのが日本の伝統。そういう男児向けの風習をさらっと女児が継承しています。
 このへんも時代の変化や意識も感じます。『カーネーション』では女性がだんじりをかつげないことが出発点にあったんですね。だんじりの代わりがミシンであると。
 そういう先人の奮闘を経て、こうなっています。

 そしてばらもん凧を作っていると一太がきて、おやつが欲しいという。それは午後3時……遅刻だ!

 そして祥子は遅刻します。なんか見ていてキリキリする。『ちむどんどん』のやらかしは一周回って遠い距離感があったんだけども、今回は釣り客の罵倒にリアリティがあって朝からきついものを感じてしまった。しょうもない凡ミスだし、それこそめざましでもかけていればよかったんですけどね。
 でも、舞がそんなばんばを慰めるからいいんだな。舞は学んだ。あんなに偉大なばんばも失敗することを。舞はシンプルで素直な性格で、受け身です。そういう子がどんどん吸収している様がいいですね。

 このあと、舞は学校で貝殻の飾り、ウインドチャイムを作ります。舞は一年から三年まで勉強する環境がいいかもしれない。年下の子と学ぶことで、自分の成長がわかるから。

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