記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

『ゴールデンカムイ』#271 まだら模様の金貨

 有古が教会へ向かうと、二階堂がいます。ペラペラと作り話をする有古ですが、信じてもらえない。それでも杉元のことを言うと、駆け出して行ってしまう二階堂です。鶴見の統率が甘いわけですね。

鶴見の欺瞞帝国主義劇場

 さて鶴見の大嘘劇場。
 大和民族もすり潰されているかもしれないと、ウイルクやキロランケに話を持ちかけてますけどね。嘘こけ! それこそすり潰すチャンスなら、幕末にあったんですよ。長州征討の際、幕府がフランスの介入を避けたのは、内政干渉が過剰になることを避けるためだと福沢諭吉あたりは言ってますね。
 そういう幕府でなくて、イギリスの援助ありきの明治政府が成立したと。樺太もイギリスの介入でロシアにあげる羽目になるし、日露戦争なんて露骨なイギリスありきのものだし。
 明治以降の日本は、イギリスなりアメリカが、足場にすることを選んだ。資源なり人口なり、もろもろの条件を踏まえると、植民地にするより同盟国として使ったほうがお得ってことですよ。
 それに鶴見のいうことは所詮、和人の理屈であって。アイヌは和人に従う前提の話であって。いかにも当時の帝国主義的な話かつ、弱肉強食というあやまった社会的ダーウィニズムありきの詭弁なのです。当時という時代背景をふまえたら、そこが限界点だろうけど。

弱肉強食という嘘

 そしてこれを北海道ゆかりの野田カムイが書いているあたりが、欺瞞、欺瞞、欺瞞! 北海道には慰霊碑がある。囚人をこき使った開拓のもの。そして日本以外のルーツから人を連れてきて工事したもの。そして『なつぞら』の山田家がそうだった拓北農兵隊。
 北海道にルーツや愛着を持つ人が治めるべき? 何を言っているのか? 政府のしてきたことは、ルーツも何もあったもんでなく、戊辰戦争の敗残兵を集めた屯田兵を皮切りに、余りものを集めて作業させる。えげつない植民地扱いをしてきたわけです。
 そういう邪悪さの中にピッタリとおさまっているところが、悪役鶴見の真骨頂だ。

ここから先は

1,498字
『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタで…

よろしければご支援よろしくお願いします。ライターとして、あなたの力が必要です!