『ちむどんどん』第73回 ファミリーヒストリー
優子が語る家の歴史。それは戦争で引き裂かれた沖縄の歴史でもあります。
ドラマだからできること
ドラマだからこそ、登場人物に感情移入し、歴史の影にあった人々の営みを慈しむことができる――というのが、歴史劇の特性であり、使命です。
沖縄で暮らしていたのに、戦争で引き裂かれた人々。理不尽な状況がいくつも重なります。沖縄から出征したのに、沖縄に戻れない兵士。収容所でたった一人残された弟を失う姉。親の移住により、歳の離れた姉と会ったことがない妹。
本土ではないような過酷な状況がそこにはあります。沖縄のルーツに深く迫る、秀逸なファミリーヒストリーでした。
このあたり、羽原氏は『マッサン』よりも時代考証が綿密になっていると思えます。NHKは本来資料が大量にあるので、強いはずなのです。
あまりに優等生的で書くことがない。そんな完成度の高さを感じます。
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