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『虎に翼』第121回 求められる忖度

 昭和45年(1970年)7月、寅子は美位子裁判のゆくえを真剣に新聞で読んでいます。東京高裁は実刑判決を言い渡しました。よねと轟はこれを予測しており、すぐに最高裁に上告しています。はたして美位子の裁判は最高裁に受理されるのでしょうか。
 そのころ、最高裁の頂点に立つ桂場は、何か変貌しつつありました。最高裁調査官である航一も、そのことを察知しているようです。

三権分立を握りつぶそうとする力

 桂場が疲れているのは、最高裁が大物政治家である寒河江の干渉を受けていることに原因あるようです。三権分立を踏み越え、ぬけぬけと容喙してくる寒河江。寒河江は少年法に目をつけ、国民の声に耳を傾けろという。さらには若手裁判官が思想的に偏っているという。偏りとは左側にということです。桂場が一年ほど前に蹴り飛ばした裁判所への特別調査委員会設置を、政民党幹事長寒河江は再度検討しているとのこと。
 寒河江が憎む若手裁判官とは、星朋一とその勉強会仲間でしょう。かれらは司法のために声を上げようと語り合っています。

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