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『ゴールデンカムイ』#264 小樽の病院で見た女

 コラボ先のサッポロビール工場を破壊しつつ、歳またぎの決戦! キロランケの仇討ちを目指すソフィアが、月島の馬に飛び降りました。そこから2021年開始です。

犠牲となる馬たち

 二階堂の馬にもソフィア手下の銃弾が当たる。馬が好きなキロランケが見ると辛そうな場面が続きます。ただ、これも時代背景っちゃそうなんですね。将を射んとする者はまず馬を射よ、そんな大鉄則もあるわけですが。銃火器が素早く発射できる元込め主流となり、さらには連射できる機関銃が普及すると、騎兵の時代は終わります。ナポレオン戦争時代は騎兵がサーベルで斬りつけると、機動力ゆえにかなりの威力を発揮しましたが、それも終わりが近づいています。『坂の上の雲』での秋山好古に感動した方は多いとは思いますが、日本陸軍における騎兵の活用時期は極めて短いのです。第一次世界大戦で終焉が明確になり、第二次世界大戦時は戦車になっておりました。『戦果の馬』が第一次世界大戦を舞台とする意味はそのあたりにあります。

 鯉登と二階堂は、馬の死体を遮蔽物にしてソフィアの部下に立ち向かいます。拳銃だと不利です。早いところ援軍が来なければ長持ちしないでしょう。月島救出どころではない。この二人を足止めし、月島だけを狙うソフィアの戦術が見えます。ソフィアはアシリパがいそうな袋の縄を切り、月島の頭に拳銃を当てます。しかし、月島は身動きする。そうそう、こういう拳銃はなかなか使い方が難しい。離して撃てば当たりにくいし、こうやって相手が動けばこれまた当たらない。月島がソフィアに肘打ちをすると、狙いが狂って馬に銃弾が命中します。
 馬が次から次へと死んでしまう! 落馬の際にソフィアはアシリパの入った荷物を拾いますが、囮でした。これもソフィアの優しさかもしれない。性格的にウイルクや鯉登あたりなら、落ちたアシリパ確認の前に拳銃を拾う可能性はある。ソフィアが拳銃を拾おうとしても遅く,月島が拳銃を蹴り飛ばし、ソフィアはここで倒れて気絶するのでした。それでも月島をぶん殴って顔を変形させそうなソフィアは相当強いのですが。
 そうそう、ソフィアの服は若い頃のものが伸縮しているわけではなく、ロシア農民女性の服装ということでしょう。漫画のお約束もあるけどさ。スヴェトラーナもこんな服じゃないですか。

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『ゴールデンカムイ』アニメ、本誌、単行本感想をまとめました。無料分が長いので投げ銭感覚でどうぞ。武将ジャパンに掲載していました。歴史ネタでより楽しめることをめざします。

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