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『水都百景録』を楽しもう 江南名物といえば筍料理

 徽州府でニョキニョキ生えてきて、徽州商もこよなく愛する筍料理。筍は日本でもおなじみ食材なのであまり深く考えていなかったのですが、江南にとって大変重要な食材なのではないかと思えてきました。

孟宗竹は呉の孟宗に由来する

 孟宗竹は江南が原産とされます。三国時代末期、暴君と悪名高い孫皓のころ。孟宗という人物がいました。彼の母は我が子が勉学に励むようにと尽くしてきます。孟宗もそんな母に孝を尽くします。ある冬の日、母の好物である筍がないかと号泣したところ、筍がニョキニョキと生えてきた! この話から「孟宗竹」と名付けられ、『二十四孝』でも知られています。この話から江南の呉の味わいが筍であるとわかります。
 筍って掘るにせよ、下ごしらえにせよ面倒くさいし、初めて食べた人はえらいと思うんですよね。竹が育たない人から見ると「そんな苦労して食べるモンなの?」となりかねません。アジア人だってアメリカ大陸のサボテン料理にそう思ったりするだろうから、文化の違いってそういうことなんでしょうね。

日本に伝わる華北文化と江南文化

 日本には中国大陸から文化が伝播し続けます。地理的な距離から、江南と九州間が主要ルートに思えます。蝦夷地でアイヌを経由した交易もあります。『源氏物語』で末摘花が愛用していた黒貂の毛皮等が該当するのでしょう。

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