『虎に翼』第45回 憲法のもとで新たな国を
昭和21年(1946年)10月、川沿いで寅子は日本国憲法が書かれた新聞に目を落としています。
優三のかけてくれた言葉を、法が認めている。この条文と重なる思想を優三が既にに抱いていたことは、人の心が先か、法が先かという、永遠の問いかけのようにも思えます。
『鎌倉殿の13人』のラストとも通じるもので、御成敗式目と坂東武者の心情変化が重なるような描き方でした。
だからこそ、憲法を押し付けだのなんだのいうのはおかしいのです。
寅子は立ち上がります。
直言のカメラを売った金。
それを渡してくれたはる。
焼き鳥を包んでおいかけてきた朝鮮出身の名もなき女性。
優三の言葉。
今まで学んできた法律。
そして新しい憲法。
寅子は家に戻ると、新聞を食い入るようにみつめ、何かを書きだすのでした。
家族会議で今後を決める
寅子は晴れやかな顔になって、家族会議を招集します。寅子がそう語るとき、脳裏には女子部の仲間が浮かびます。涼子。梅子。ヒャンちゃん。よね。先週まではよねはアップにならなかったので、退場確定かと思われます。
そしてこの仲間たちは、それぞれが何らかの理由で不平等であったことがみえてきます。涼子は華族だった。梅子は既婚者として夫に迫害を受けていた。ヒャンちゃんは国籍。よねは貧困層出身であること、異性装。
寅子は憲法を読み上げると、家族はあまり理解できていないようです。直明はすごいとは思うと言います。このドラマのすごいところは頭の良し悪しといいますか、理解力の高低の描写です。寅子は聡明なのに、気力が尽きて鈍感になっていた。あれほど新聞を熱心に読んでいたのがそうしなくなったことであらわれている。それを取り戻していました。
直明は自ら学ぶことから遠ざかろうとしている。自分を鈍感にしている。
はると花江は、もうちょっとブラッシュアップが必要。寅子は直明には当事者意識を持たせる一方、はると花江には自分の幸せが何か、自覚させます。素朴なはるにとっては生活が楽になり、おなかいっぱい食べること。花江は子どもたちの幸せです。
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