『ゴールデンカムイ』＃270 全ての元凶

　杉元と白石は、有古と遭遇します。土方一味の有古と共闘することになるのです。白石は戦力外として、2名で戦えるか焦る杉元。教会に監禁されていることはわかっているのに。そう焦る杉元に、有古は様子を見てくると告げます。彼はアイヌのことを考えているアシリパに感化されているのです。
　ウイルクの望み通りといえばそう。アシリパという少女が先頭に立つことで、鼓舞される人がいる。ジャンヌ・ダルク効果を発揮しています。

フィーナとオリガの骨は捨てられなかった

　アシリパは、インカラマッが鶴見から聞いていた、アイヌ遺品のことを聞き出します。そこについていた指紋はキロランケだと嘘を教えることで、情報は混乱していました。そして鶴見は抜け抜けと、全ての元凶はウイルクだと言います。
　ウイルクのせいでアイヌたちは殺し合った。
　フィーナとオリガも死んだ。
　フィーナは勘が良いから、薄々自分の正体は気づいていたと鶴見は言います。それでも離れなかったのは愛だのなんだのと。
　何を言ってんだこいつ？　そんなの自分の願望では？　妊娠するなり赤ん坊がいるなりして、そう簡単に離れられるかと。フィーナはオリガとともに戻ってきたから、愛はあったかもしれませんけどね。フィーナの死に際に本名を伝えたこともなんか言ってますけど。
　なんか鶴見劇場、脚本が甘いですよ！
　鶴見が死の間際に本名を伝えたことは、彼自身とフィーナしか知らないはず。なら黙っていてもいいし、嘘もつき放題。フィーナがどう思って死んだかなんて、鶴見の解釈次第でしょう。鶴見は脚本にちょっと本当のことを混ぜるからそれらしくなっていますが、ガタガタだとは思う。

　鶴見は二人の骨を捨てられなかったことが軍人失格だのなんだの言います。これ、月島が効いているとわかってて言っているとか？
　人心を操る達人である鶴見は、オリガの脳内から取り出した弾丸はウイルクの撃ったものだと言います。ソフィアがそれを見てハッとしているから、ソフィアのベルダンよりはるかに小さいものではあるのでしょう。
　でも、自分の赤ん坊の脳みそからそんなもん掘り出したんですか？　あの短時間で？　まあ鶴見ならやりかねんけどさ。ソフィアの罪悪感を軽くし、アシリパを重くする意図はわかった。