『虎に翼』第19回　ほんとうの自分はどこにいる

コード：HXrzbQGZnsa3
虎に翼応援クーポン(1ヶ月無料)
2024/04/08 22:30

2024/04/30 23:30

　クーポン配布します。今回は好きなので気合を入れていきます。よろしくお願いします！

　花岡は転落し、入院しました。足と腰の捻挫に右腕骨折。頭も負傷したとか。
　ハイキングから三日後、さしもの寅子も暗い。寅子は連日見合いしようにも、女給が見舞いに来ているので入れないのでした。一方、直言は食欲が落ちています。はるは直道の余計な言葉のせいで、夫の浮気を疑っております。直道の恋愛脳は迷惑なんだってば。

花岡よ、お前はどうしたんだ！

　さて、梅子は打ち明けたせいか、今まで以上に明るく、ふっきった様子でいます。玉は素敵なレディーだとうっとり。よねは許すことが寛大だと勘違いしないように言います。玉がそんな女にならないように警告しているのでしょう。客観的に考えたら梅子は上位の勝ち組女といえるけれども。『蜻蛉日記』の藤原道綱母といい、ステータスだけでははかれませんからね。
　轟が休んで、退院に付き添っていることを小橋と梅子の会話から知る寅子。一直線に病院へと向かってゆきます。
　
　さて、ここで花岡と轟の対話です。花岡も、轟の言う通り、男女同学は無理があったと言い出します。下手に出るのはやめて、寅子を訴えて痛い目にあわせてやると言い出します。出た、男女平等＝パンチしてもいいと誤解してるやつだ。
「愚か者！」
　ここで轟が、花岡の頬を平手打ちにします。
　正気かとたじろぐ花岡に、轟はこうきた。
「思ってもないことをのたまうな」
　ここにいるのは俺だけだ、去勢を張ってどうするのかと言い出す。轟はあの人たちを好きになってしまったのだという。恋愛感情というより尊敬です。あの人たちは漢（おとこ）。男の美徳と思っていた強さ、優しさをあの人たちは持っている――そう吉川英治を愛読していそうなことを言い出しました。轟が男らしさと思っていたのは、男とは無縁かもしれんと言い出します。なんとなく轟がこう刷り込まれる背景はわかる。明確にエンタメが男性向け、女性向けと別れたのって、近代以降だと思うんですよね。歌舞伎の仇討ちものは男女双方が盛り上がるし、『源氏物語』だって男女双方が読んでいます。今にまで連綿と続く少年漫画と少女漫画という分類がありますよね。あれは近代の少年雑誌と少女雑誌が元になっています。ジェンダーロールはそうやって刷り込まれるんですね。
　そのうえで、轟は上京してからの花岡に失望していました。彼らは同郷で下宿も同じだそうです。花岡はどんどん男っぷりが下がっていって、轟は悲しいんだそうですよ。きっといつも花岡が上で、憧れていたんでしょうね。

本当の自分を見失っていた