『らんまん』第119回 自由民権運動家のなれのはて
南方熊楠の手紙は、植物学研究室にも届いていました。
南方熊楠には関わるな
徳永は万太郎に対し、南方熊楠には関わるなと念押ししています。合祀ついでに鎮守の森が切られることが見逃せないのだとか。そうした国家に逆らうことはするなと釘を刺してきます。それよりも徳永は満洲採取に前のめりです。
満洲の気候にあう農業を見出す。そんな成果があげられれば、軍部や政府は喜ぶ。ありとあらゆる学問が国への寄与をより強く求められる時代です。
そんな徳永にとって、南方は海外留学経験はあるとはいえ、学位はもたないはぐれもの。だから目立ちたくてそうしたいのだと邪推しています。自分がそうだからって相手もそうだと思わなくてもいい。しかし彼はそういうタイプだ。
そんな徳永に対し、万太郎はあくまで紀州熊野での採取を志願し、相手を苛立たせています。国より植物学を重視する万太郎に、徳永は脅しをかけてきます。
教員の妻が水商売をしているのはいかがなものか。そう抗議があったそうです。これは実際にあった抗議だそうで。万太郎は弁解するものの、徳永はもうこれ以上目立つなと言い切りました。
徳永はここで「これ以上かばえない」と言ってくる。温情があるし、空気が読めない万太郎に非があるといえばそうなんですよね。田邊といい、徳永といい、そこはえらいんです。
お墨付きを得たけれど
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