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『ちむどんどん』第75回 幸せになりたくて、ちむどんどんする

 なぜ遺骨収集するのか。優子の話を聞いたあとの家族たちは……。

一歩前に進む

 賢秀は勤労意欲を取り戻す。
 良子は博夫と別れない決意をする。
 歌子は民謡教室へ。

 そう一歩、幸せになるために踏み出すのでした。歌子はかわいらしいので、いろんな意味で心配です。ハラスメントにあいませんように。

結婚も仕事も両方がんばりなさい

 そして暢子は、房子から結婚も仕事も両方頑張れときっぱり命令されるのでした。
 これは朝ドラが明確に新たな流れに舵を切ったと私は大歓迎したい。そういう流れはありました。先人の戦争経験を踏まえてこうなるといえば、『なつぞら』や『スカーレット』。『スカーレット』は才能で夫を圧倒した末の離婚でしたが。
 その前の朝ドラって、高度経済成長期にあったモデルを継承するせいか。外で働く母に罪悪感を植え付けかねない小細工があって不愉快でした。『カーネーション』は違う。問題は『あさが来た』と『わろてんか』。どちらもヒロインモデルが働こうと、それに子供が不満を漏らしたわけではない。そもそも『あさが来た』ほどの大金持ちは自分で家事育児をしなくてもどうにでもなります。それを「鍵っ子はかわいそう」みたいな理屈を無理矢理時代考証を無視してあてはめていて邪悪でしたね。だいたい、あの二作は高度経済成長期にヒロイン生きてないのに。

 それをキッパリ否定するような流れ。暢子だと「寿退社」が当然の世代ですから、際立ちます。

嘉手刈老人

 嘉手刈の語りは圧巻でした。
 これはドラマなので、当事者の証言をそのまま流すことは当然のことながらできないけれど。戦争体験継承に熱心な津嘉山正種さんだからこそ、限りなく本物に近い、迫真の語りができたと思います。
 これを見て「もっとわかりやすく戦争体験を〜」云々言う人は、もう気にせんでいいよね。

この手を離さない

 ただ、和彦のプロポーズは危なっかしいと思えました。
 戦争体験者の手を離した経験と、彼の場合はそう重ねられるものではないと思う。いい話のようで、和彦ならではの傲慢さと鈍感さがうっすら漂っていて、嫌な予感はします。
 『スカーレット』ほど派手な崩壊はないだろうけど。良子と博夫異常に辛い展開がある気がする。

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