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寒露(かんろ)の候。

先週の日曜日の朝、家を出るとちょっと肌寒いな…と思ってカーディガンを取りに戻りました。オレンジ色の秋っぽいカーディガンです。

大阪、京都ではここ何日か、朝夕は涼しいと感じる日が増えましたが、昼間はとても暑く、半袖で過ごせる日も多かったと思います。冷房をかけていないと、昼間は仕事もできないような暑さでした。

ようやく秋らしくなってきたのかな?
カーディガンをはおるのがなんだか嬉しい。

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二十四節気は今日から寒露(かんろ)です。
見るからに寒そうな印象を受けますが、その意味は「草や葉に宿った露が冷たくなる」ことだといわれています。秋が深まり、日中でも涼しさを感じられるようになります。

このころは空気が澄み、思わずハッとするような綺麗な月や星を見ることができます。夜空を見上げるのが楽しい季節ですね。なかでも10月11日の月は十三夜と呼ばれ、十五夜に次いで美しい月といわれています。

町のところどころで見かける田んぼも、いよいよ収穫の時期を迎えます。黄金色に輝く稲穂を風がサーっと吹き抜けていく光景は、美しい秋の風物詩。電車の窓から見えると、つい目で追ってしまいます。

暦生活を立ち上げてから、日々の小さなことに感謝したり、空を見上げたり、花や生きものに目を向けられるようになりました。とても小さなことかもしれないけれど、そんな風に感じることができる自分になれて良かったなあと思います。

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家から会社までの通勤時間は片道1時間半。行きは本を読み、帰りはイヤホンで音楽を楽しむ時間にしています(最近はもっぱら村上春樹さんの『遠い太鼓』を読んでいます)。

仕事を終えて、電車を降りると「リー、リー」と虫の声が聞こえてきます。綺麗な声なので、音楽を聞いて歩くのが少しもったいないような気がしてきます。駅から家までは15分くらいの道のりですが、その間、イヤホンはカバンにしまって虫の声に耳を澄ませるようになりました。

平安時代には「虫聞き」といって、野や山に出かけて虫の声を楽しむならわしがあったそうです。今、気軽に野山に出かけるのは難しいけれど、毎日の帰り道の15分、これも立派な虫聞きだ…!と密かに楽しんでいます。

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最近は手紙を書くこともなくなりましたが、このころの時候の挨拶は「寒露の候」ではじまり、結びの言葉は「山々の紅葉がきれいになりはじめたようです」が決まり文句。山では木々の葉が色づき、風景は秋の色に染まっていきます。

本格的な紅葉シーズンともなると、紅葉を見ているのか人を見ているのか分からないほど多くの人で賑わうので、染まり始めた葉をのんびりと眺めるのもいいものです。

紅葉や秋祭り、月見に秋の味覚の数々…。
秋の楽しみはまだまだこれから。
今年も自分のペースで少しずつ、令和最初の秋を楽しみたいと思います。

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