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第八十六話 僕を誰

僕を誰が見てくれる?本当の奥のただの僕を誰が見てくれる?誰かに見られたら、それは僕ではなくなる、誰かに見られる僕になるから
ではどうしたら?僕は見つかる?いつ終わる?僕はいつまで隠れていなくちゃいけない?僕が鬼なのに?ある時遅れを取ってから、永遠に埋まらない差がある、ズレたまま、それ以上開かないように、どんなにガンバっても、かろうじて保ち続けるだけ。だからすぐに方向転換したくなる。僕に見つからないように僕はこっそり右折したくなる。呆れたくなる、後悔をする。保育園生になって、午前中で燃え尽きたい。僕の中にはあの頃にとっての先生はもう、まだいない、先生が欲しい。考えれば考えるほど、頭は無駄に熱くなって、僕にとって、生きていることが揺らいでくる。楽しくはない。気持ち良くもない。や、ちょっと気持ちいいかも。
時間はゴムのように柔らかくて、いつまでも伸び縮みするのに、なんで数字が出てきてものを言うのか、おしまいだ、今日も期限が来てしまう。嘘だろ、またお腹が空くのか。お腹が鳴くから帰りたい。起きてる時間をこんなことに使いたくない、じゃあ何に?眠りたくてたまらないくせに。



あーマクドナルドの紙袋の匂いのする車内に、後部座席の空間にずっと居たい。何処にも行きたくない。何もしないで車に揺られて居たい。

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