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映画「The Menu」: 美しい食事と釈然としない謎とジレンマ (ネタバレあり)

注: 作品の内容にふれる記載あり。

予備知識なしで映画館に足を運んだ話。

正確にいうと映画館の上映リストをみて、あらすじも目を通した上でチケットを買ったはずなのに、実は思っていたストーリーとちがっていたというドジ。

このThe Menuという作品はてっきりコメディかとおもっていた。しかし、実際にはスリラーとミステリーに分類されると思う。鑑賞後も謎な部分は多く、ドキッとすると場面も多い。

テーマとしては創作と消費のジレンマにある。
最近の娯楽コンテンツでいわれがちな、どんなにクリエイティブな作品でもかんたんに消費されてしまい、あっという間に忘れ去られていく。あらゆるモノが消費対象。でも次に求められるハードルばかり高い。その繰り返し。

そこに生まれた葛藤と憎悪が創作者とクセのある消費者たちのあいだで明らかになる。

そんな背景があるのに、多額の制作費と膨大な制作時間の割に興行収入や賞レースの受賞の有無で評価されがちな映画で試みるというのは、シニカルというかチャレンジというか。

作品で出てくる料理の独創性や盛り付けの美しさは、目を引く。

一方ミステリー映画ゆえ許されると思うものの、つじつまが合わない謎が多く、おもしろさ半分、どこか奥歯に物がはさまったような釈然としない感じも残る。消化不良ぎみ。

うろ覚えではあるけど、印象的だったフレーズがある。


食べるのではない、味わうのだ。


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