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中殿筋と膝関節

Knee-in=股関節内旋・内転

それが危ないので股関節外旋・外転へ導く筋を働かせるワークを。

理にかなっているようで少し短絡的なアプローチを駆け出しのころは熟考せずに実施していた。

それに関して現在の考えを↓



そもそもその筋が働いていないと、その肢位をとってしまい、膝関節の靭帯に負荷をかけてしまうのか?

・膝関節外反角度及びモーメントに影響する
(Ireland 2002, Powers 2003, Willson et al 2005)

・着地や切り返し時などの運動中の股関節外転筋の弱さと下肢の着地力学との関連性は弱いか、関連性がない
(Patrek et al 2011, Jacobs et al 2007, Willson and Davis 2009, Geiser et al 2010, Thomas et al 2011)

・股関節外転筋疲労前後でACLへの負荷に変化はない
→着地時の力学的変化はみられた
(Kim et al 2021)

併せて現場での私見としては該当筋のアクティベーションをして片脚SQやジャンプの接地に大きな影響が少なく、次回セッション時には元通りというケースが多い(本人が意識しなければKnee-inする)

では膝関節の傷害に対しての股関節外旋・外転筋を活動させるエクササイズは不要なのか?

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多くの運動・スポーツが立位で実施されることは言うまでもない。

故に下肢傷害のみならず、運動・スポーツによる身体の不調には足部・足関節の関与を疑う必要がある。

そして股関節がその足部・足関節からの応答機能が問われることを念頭に置く必要がある

・CAI群では股関節外転筋の活動低下がみられた                                        (Sara et al 2007, Friel et al 2006)

・足関節捻挫後に股関節の筋発火順序の変化がみられた                      (Bullock-Saxton 1994)

ともすれば、活動させる筋が直接的に膝関節へ影響を与えるという観点よりも、足部の接地戦略に対し股関節の筋が活動し大腿骨と脛骨の関係性を決めると言えるかもしれない。

リハビリテーションやコンディショニングの段階として荷重訓練を積極的に実施できる場合は足部への荷重戦略に対してのワークがよりパワフルかもしれないが、免荷中など足部への荷重が制限される段階であればOKCにより股関節外転筋を含めたエクササイズはプログラムに組み込まれる必要があると思われるが、

その先に「足部からの応答を担うための」という観点があるかどうかが重要と感じる

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