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「ブロークバック・マウンテン」を観て。

原題:Brokeback Mountain
邦題:ブロークバック・マウンテン

監督:アン・リー(2005年)

あらすじ: 1963年の夏。ワイオミング州のブロークバック・マウンテンでイニス(ヒース・レジャー)は羊番の仕事を始める。たまたま一緒に組んで仕事をしていたジャック(ジェイク・ギレンホール)との間に友情以上の感情が芽生え始める。

感想:感美的。

知らない方が幸せなことだってある。でもあなただから知りたい、傷ついてもいいから知りたい。それが人間なんだよね。怒るし、嫉妬するし、傷付け合うし。それでも人は人を愛する。

なぜ人間を作ったとき、男と女で分けたのか。そしてなぜそれによって人権を奪われるようなことが起きてしまうのか。普通、なんて知らない。

ジャックの死因は、きっとイニスの想像通りじゃないかな。

最初はジャックが「豆には飽きた!」とワガママばかり言ってそれを淡々と聞いてるイニスは大人だなあと思ってたが、思ってる以上にイニスは人間らしい面がたくさんあるんだなあと。羊の監視の仕事が終わりそれぞれ帰路につくとき、イニスが路地で1人苦しそうに泣くシーン。ジャックがフラストレーション発散のため娼男を買うシーン。1人で発散するのか、人と発散するのか。それぞれ違って愛おしくも悲しく感じた。

最後のシーンは、泣いた。イニスがちゃんと人間として成長した姿を描いてくれていたのには救いがあったけど。人は、いつ何があるかわからない。会いたい人がいれば、その時会わなくちゃ。

今は亡きヒース・レジャー。こんなにも繊細な演技をするなんて…そして声がとてもセクシー。もしも彼が生きてたら…なんて考えることはものすごく悲しいことだから考えてはいけない。

ジェイク・ギレンホールの俺!という感じがよかったなあ。こんなに違う人間だとわかりやすく演じてる。あのネットリした目線とかすごいうまい(そしてワタシはあーゆう目、すっごい嫌い)。

アン・ハサウェイのカウガール姿は神…かわいすぎ。アルマ役のミシェル・ウィリアムズも、だんだんと憔悴していく様子がうまかったなあ…。

淡々とした時間の経過は、彼らの愛の経過と同じように幸せなようで不幸せ。やはり愛って美しくも切なく、儚く、脆い。


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