鷲ヶ岳スキー場に行きました。(2024/02/24)
【あらすじ】
先月、現金を下ろし忘れたがために極貧スキーレジャーを楽しむハメになった私。この教訓を活かして、鷲ヶ岳スキー場では完璧なスキーレジャーをと意気込むが……。
今回のコソ練場所に選んだのは岐阜県は郡上市。「ワッシー」の愛称で知られている鷲ヶ岳スキー場だ。
ご覧の通りの大混雑。ゲレンデの規模も大きく、綺麗なホテルも多く、駐車場も広い。豪雪地にあるという地理的な強みも人気の秘訣か。
まぁ、こんな風に分析したところで何の意味はない。とにかく、私は浮かれていた。リフトへ至るまで完璧だ。
腕にはリフト券入れ。ポケットにはスマホと財布。財布には現金が入っている。前回のスキーではこれら全てを失っていた。
ウキウキ気分でリフトに乗った私だが、そこからの景色は予想とは違っていた。あれ? あの茶色いのは、土? 地面じゃね?
そう。2月の岐阜、しかもスキー場だというのに、雪面が禿げてやがる。なんせ今年は暖冬だ。その事実が眼前に広がり、一人、唖然としてしまった。
しかし、それでも雪面は快適だ。おそるおそるといった板使いではあったが、徐々に目標としていたパラレル(っぽい)滑走もできるようになった。
滑り降りてはリフトに乗り、滑り降りてはリフトに乗り。繰り返している内に腹が減ってきた。
昼食を取れることの、なんと幸せなことか。それもこれも手元に現金があるからだ。実際、このスキー場ではキャッシュレス決済ができたわけだが、私はあえて全てを現金で支払った。
現金はいいぞ。手元にあれば安心する。その厚み、重み、香りを感じてはじめて自分には強力な後ろ盾がついている気分になる。
普段キャッシュレス決済を利用している人は、時々まとまった現金を下ろして財布に入れて欲しい。「お金」というものが概念ではなく、物質として存在することを思い出させてくれる。そうすると、どうなるか……。
日々にほどよい緊張が生まれる。
これはライフハックだ。
さて、スキー場での話に戻すが、なんと湯まで浴びることができた。
ただ持ってきていた着替えの中に、パンツだけがなかった。
これが今回の旅における、唯一の減点ポイントだ。清潔になった全身に、少々汗ばんだパンツのなんと不快なことか。
しかし、こうした小さな失敗が「失敗」としてクローズアップされてしまうほど、その日、全てが完璧だった。
生きていて、あれほど充実した一人旅は、これまでなかったと思う。
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