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眼瞼下垂症の再手術③

前回に引き続き、眼瞼下垂症の手術記録。


手術翌日。
細切れ睡眠だったためよく眠れたわけではなかったのだけど、それでも上げ膳据え膳、しかも診てもらいに行かなくても回診で先生のほうから病室に来てくれるという患者特権もあり、朝はゆっくりさせていただいた。

先生が「万が一どうしても気に入らない仕上がりになったら、今回やったところはまた外せる(やり直しができる)からね。あんまりやらないほうがいいんだけど、できないことはないから」と言っていた。
いや、あんな怖いのもう二度とご免だと思ったところなので……
でもまあ、手段が残されているのは悪いことではない。
とりあえず出血もなくこれと言って問題もなかったので、担当してくれた看護師さんにもお礼を告げてお昼前には退院した。

前夜はお風呂に入れなかったから、帰宅するとお風呂が楽しみだった。
というのも、365日あれば362日くらいは湯船につかる人種だからだ。
風呂なしの落ち着かなさ、半端ない。打ち合わせで東京へ行くときも、ホテルの決め手は立地と同じくらいセパレートであるか否かというのも大きい。

ただ、どんなにお風呂が好きでも術後である。
切って縫ってとした直後である。
なお、洗顔はもうよしとされている。

そういえば今回、入浴指導がなかったな……とあとから思った。2回目だから知ってるだろう、ということかもしれない。2~3日はシャワーのみで済ませるのがよしだったはず。もしかしたら抜糸までだったかもしれない。
曖昧だが、とにかく帰宅したその日の夜はシャワーというのは確実だ。

しかし冬だ。
風呂好きと寒さという組み合わせになるとどうなるか。

まあ、ちょっとくらい湯船につかってもいいんじゃない? ちょっとならさ。術後はシャワーだけで済ませなさいって言うけど、ちょっとだけだし。顔だから傷口をお湯につけるわけでもないし。今日寒いし、ね……! といった具合に、磁石がくっつくようなあの抗えなさで私は湯船にインすることとなった。
そして途中から「ちょっとだけ」ということが脳内から削除される。浴室から出て寒さを覚えるその瞬間が嫌いだ。風呂に入っておいて寒いとはどういうことか。無論、しっかり温まってしまった。

結果、手術したほうの目のまわりが見事に内出血した。
それまでは内出血はしていなかったのに。

人間の血流、ひいては生命力を感じた。(コラ!)
術後の入浴と飲酒がダメだと言われる理由を顕著に体感してしまうという結果だ。血行をよくしてしまったがために、目のまわりは青みがかり、二重の上部と目尻は濃い赤に染まった。しかもまだまだ腫れている。完全に「誰かに殴られた人」というような印象を与える顔になった。
お医者さんの言うことはちゃんと聞きましょう。

殴られた人みたいな顔がどれほど長引くか少し心配していたけれど、術後7日目の抜糸の日には青みはなくなり、二重の上部に少し赤が残る程度まで内出血は引いていた。腫れも日に日に小さくなって、まだ腫れてはいるものの思っていたよりかなりマシだった。

さて。問題は二重のゆくえである。
正直なところ、術後~抜糸までに私としては70%くらい諦めに入っていた。自分が思っていたところに二重のラインが入らなかったのだ。
手術前の相談の時点で、複数の先生が「なぜそこに!?」という反応を示していた不思議な二重。それを思うとおそらくこれが「ベター」な場所だったのだろうとは推測できる。私はきっと「ベスト」を求めていた。
狭い二重幅を広くすることはやりやすいかもしれないが、逆に広い幅を狭めるのは困難、とでも言えばいいのか。
腫れが完全に引くまで1か月ほどかかるとのことだったので、腫れがなくなればまあ……少しはマシになるのではないかと思う。

「やってみないとわからないことが多い」というのは私自身もよくわかっていたことだから、さして不満に思っているわけではない。
ただ、「目なんか見えればいいんだよ」と言いきれるほど見た目を気にしない境地にはまだ至れないし、それが「まだ」なのか死ぬまでずっとなのかすらわからない。
美容目的の手術だった場合、このダウンタイムでどれほど不安を覚えるんだろう。綺麗になれると思ってトライしたのになんてことだ……となるのだろうか。そんな美容整形に懸ける人の気持ちまで想像してしまった。不安どころか恐怖かもしれない。
最初から諦めも含んでいた自分にとっては、予想の範囲内だったということで飲み込むことができている。

ただ、いいこともあって。目は格段に開きやすくなった。これまでいわゆる「半目」の状態にすると特に左右差がよくわかったのだけど、今は半目にしてみても差がほぼない。左右どちらも同じように開いている。頑張って開かなくてもちゃんと開く。
すごい。ありがたい。よかった。

ひとつ懸念しているのが、腫れが完全には引かないパターンだ。
まつ毛の根元から二重のラインまでの間は、前回もやや厚みが残った。めちゃくちゃ気になる、というわけではなかったけど、術前よりは確実に厚くなったのだ。
そこは「残りやすい」とのことで、今回はどうなんだろう、二重のラインがここになってしまったからには前回より目立ちそうな予感……と考えていたら、抜糸しながら先生が言った。

「どうしても厚みが残って気になるときは、そこの筋肉を削ぎ落とすこともできるからね」


……なんかすごい怖いこと言われたな!?

眼瞼下垂の手術をする人は、そうすることも多いらしい。要は筋肉が腫れるから、そこを取ってしまおうということだ。もちろんその分、まぶたは薄くなる。

いや、私もう二度とこの手術したくないって先週思ったところなんだよな……と思いながら、次回の診察予約を取った。
本当は1か月後であるところ、私の都合により約2か月後。腫れが引いてどうなってるかを見せるための受診だからということで、問題ないだろうと判断された。でもそれまでになんかあったらすぐ来てね、とのことだった。

どうか次回の診察までに、私のまぶたよいい具合に落ち着いてくれ……という気持ち。筋肉削ごうかな、とか一切考えなくていいくらいすっきりと腫れが退散していますように。

また、眼瞼下垂で悩んでいて手術についての情報を集めている人がここにたどり着いてしまったら、少し申し訳ない。
手術の流れとその後の経過を文字でしか伝えていない記事なので、一番肝心であろう見た目の具体的な仕上がりについては画像検索してみてほしい。いっぱい出てくる。同じようにまぶたに悩む人が少しでもラクになれますように。

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