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過剰演出と即効動画の実践例

前回、即効動画について話をしたんだけれども。
そもそも前提としてあるのが
現実のかっこいい部分や魅力的な部分を引き出す
「過剰演出型動画」という点がある。

即効動画はかなり限定的な条件下で最大限の効果を発揮しなければならない。
前回はその際の「スピード」の大切さについて書いたが、
そのスピードをつけるにあたっての前提条件が
noteでも何度も書いてきた「過剰演出」という意識と手法だ。

文章よりも動画を見ながらの方が圧倒的に情報量が多いので
今回は参考の動画を元に話を進めていければと思う。

イベント内容と流れ

発端はイベントの即出し案件。
イベントは「SwitchPointshibuya」という
アフリカ×ヘルスケア×イノベーションをメインにした
プレゼンとクラブをクロスオーバーしたようなイベント。
https://switchpointideas.jp

条件としてはイベントの最後にDJタイムがありそこで
今日の様子を流したいとのこと。
しかしここで一つ問題が起こる。

「DJが特殊な人で、その場の雰囲気で流す音楽を変えるみたいだ」

即効動画で重要なのが音といったものの、その音源が封じられるという事態に。
あくまでDJタイムなのであまり外しすぎないBPM(Beats Per Minuteの略称 · 音楽で演奏のテンポを示す単位)をチョイスし、そこに合わせて制作していく流れとなった。
だいたいBPMはテクノ系の125ぐらい。

さらに撮影するものがDJとポールダンス以外はほぼプレゼンという、
カメラマンにとっては辛い、画変わりのない内容。

即だしで感動を与えるにはスピード
そして音
さらにストーリー
スピード×音源×ストーリー=破壊力
という花山薫ばりの単純計算式の中で
どうしても撮影側でストーリーを描きづらい。。。

ということでクライアント提案したのが
今回のイベントのテーマを登壇者に
スケッチブックに簡単に描いてもらうというシンプルな内容だった。

そうすることによって今回のイベントの回答が最もシンプルに提示される。
しかし気をつけなければならないのが、
そのようなシンプルな回答は時として破滅的に「ダサく」なってしまう恐れがある。
今回はあくまでDJタイムの時に流すVJ(映像を素材としてディスクジョッキー(DJ)と同様の行為を行う者を指す)のような役割だ。
あくまでスタイリッシュな制作が全体のトーンと合う。
https://www.youtube.com/watch?v=AFuHXKxnbyk

制作したら

というわけでここまでの最低限の動線をつかんだら
あとはいかに現場の生感を即興で瞬発的に捉え、それを料理するかに尽きる。
それが重なった時に感動は生まれるものだ。
結果この映像は様々な人に感動を与えた。
「なんてスピードなの!」
「なんてクオリティなの!」
「アメイジング!!!」
みたいな感想だった気がする。

後から見ると熱はだいぶ冷めるだろうが
大切なことは過剰に演出された現実を
その場で「共感」、「体験」、「熱狂」することなのだ。
この体験型動画が過剰演出の強い側面だと思っている。




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