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(短編) 屋上

彼を止めに行った時にはもう手遅れだった。
彼は柵の外に身を乗り出し、僕に気付くと、いつもより優しい笑顔を僕に向けたまま、足を宙へと踏み出した。
僕は彼を目で追うため顔を上げる。
翼が生えた優しき友人。
彼が馴染めないこの世界が悪いのだ。

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