「人権や環境のことを考えるとSHEINで買い物をするのやめなきゃと思うのに、安くて可愛いもの見つけると買っちゃうのやめたいです。」

2千円のTシャツ5枚買うか、1万円のTシャツ一枚買うか

昨日の夕方、越智 康貴さん（@ochiyasutaka）とeriさん(@e_r_i_e_r_i)がインスタライブをしていた。
恋愛や悩みなど、というようなテーマだったので日頃モヤモヤと思っていたことをコメントをした。

私「人権や環境のことを考えるとSHEINで買い物をするのやめなきゃと思うのに、安くて可愛いもの見つけると買っちゃうのやめたいです。」

越智さんが読み上げ、二人がそれぞれコメントをくれた。
越智さんは「量より質になっていく時期がくるんじゃないかな、自分もだんだんとそうなっていった。2千円のTシャツ5枚買うより、1万円のTシャツ一枚をほしいって思うようになった。」というようなことを。

eriさんは「人権や環境に問題があることを分かっていても買ってしまう、っていうのは初めてのパターンかも」と驚いた上で、その「安くて可愛い、が誰かの苦しみ（←表現は多分違う）の上に成り立っているのだから、それは私は違うかな、と思う。けれど、まあ、自然とそういうふうに思える時がくるんじゃないかな。」というようなことを話してくれた。
越智さんが、「ガチコメで引いちゃったかな」と言っていたので、私はお礼と一緒に次のようなことをコメントした。

私「ガチコメありがとうございます！自分には使えるお金が限られているから、と自分に言い訳してファストファッションを買っていたけど、まずは安いユーズドにするところから始めたいと思います！」

eriさんは上記について「鎌田亜里沙ちゃんが最近ケニアに視察に行ってたんだけど、そこで、大量消費されたファストファッションがどうなっていくか、っていうことを丁寧に投稿に書いてるのフォローしてみてください。ケニアのある地域には、SHEINもそうだし、さまざまなファストファッションが積み上げられていて….」みたいなことをお話ししてくれた。

でも、私はすでに鎌田亜里沙さんのインスタ（@arisa_kamada）もフォローしていて、ケニア視察の投稿もみていたのだった。

私「鎌田さんはフォローしていて、ケニアの投稿も見ていたけど、行動を変えられずにいました。たぶんまだまだ葛藤すると思うけれど、ファストファッション買いたくなったら二人の顔を思い出そうと思います！」
みたいなことをコメントした。（すぐ何でも「！」マークつけちゃうのやめたい。）

これについても読んでくれて。
越智さんは「やっぱ30代になってファストファッションって顔に似合わなくなってくるんだよね〜」
「もちろん、一万円のTシャツがいいってわけではなくて、ボロボロのTシャツ着ててもオシャレな人はいるし、逆に高いハイブランド着ててもうーん（←表現忘れました）って人もいる。」というようなことをおっしゃっていた。
eriさんは「ファッションは身に纏って、自分（の気分）を上げるものだと思うから、人権や環境に配慮されていない服だったら、自分は上がらない。」というようなことを話してくれていた。あと「SHEINが好きなら、環境に配慮されていますか？とか意見おくるのもいいと思う。」と。

そして、この話題に関連してだろうか。
「ずっと着ているジャージ、大好きです」みたいなコメントとか「ファストファッションってだんだん似合わなくなってくる。上質なものは長年着れますね〜」みたいなコメントを書く人も（私がSHEINで買い物していることを暗に批判しているんだよね）。
さらに「現在、大量生産に加担していると思いながらも生活のためにアパレルで働いています。私に喝を入れてください。」みたいなコメントもあった。

とてもとても丁寧に真摯に答えていただいて、越智さん・eriさんには感謝している。

一方でこの自分のモヤモヤというのは深まっていくばかりだった。
SHEINで服買っちゃう自分が、とても貧しい生き物に感じられて、この日は少し落ち込んだ。

SHEINはそうまあ悪いね。

あんなやっすい値段で洋服が買えて、購入金額2000円以上だと送料無料で自分の手元にやってくるということは、さらにやっすいやっすい値段で働かされている人がいるということだ。そして、その劣悪な労働環境で作られた、やっすいふくは当然品質も良いわけなく、リサイクルもできないような素材で、すぐに捨てられるわけだ。

eriさんは「人権や環境に問題があることを分かっていても買ってしまう、っていうのは初めてのパターンかも」とお話しされていたけど、これ、そんなにレアケースかな？
私みたいに、SHEINで買うことはよくないと思っていてもでも、買っちゃう。って人、割と多いんじゃないか。

だって、SHEINの商品を紹介するインスタの投稿やYouTubeのコメントには、だいたい、そういったこと「SHEINの服はウイグル人を強制労働させて作られた綿で出来てますジェノサイドを行ってるチャイナ系企業の製品の宣伝はやめて下さいインフルエンサーはその商品を紹介するにあたってもっと責任を持って下さい…」など書く人がいる。もちろんそれを読んで「だから何？？？？自分には関係ないが？？？」って思う人もいるだろう。

でも、SHEINが抱えている問題を分かっている人もいるはず。それでも買っているのだ。私のように。

私が1万円のTシャツの1枚の代わりに、
SHEINで靴下や帽子、子ども服やアクセサリー買っちゃうのはなんでだろう。
さらには、ユニクロで500円まで値下げされたmame kurogouchiコラボ買っちゃうの、なぜだろう。
越智さんやeriさんはそれらを必要としていなくて、なんで、私は必要としてしまうんだろう？

1万円のTシャツを買える人は、
ワンシーズンにファッションに使えるお金はたぶん1万円だけじゃないよね。（だよね？もしそうなら、ごめんなさい）
それにきっと長持ちする、上質な服も、もうたくさんもっているんだよね。

私もファッションに使えるお金がワンシーズンにもし5万円あったら、1着1万円の（環境や人権に配慮された）服を買いたいと思うかもしれない。いや、絶対思うと思う。4万円のヤク100%のカーディガンだって頑張って買うかもしれない。
SHEINのアプリなんて、きっと鼻から開かないだろう。

ただ闇雲に服が欲しいわけじゃない。

SHEINで買い物する私は、ただ闇雲に服がたくさんたくさん欲しいわけじゃない。
1万円で、たくさんの、どうでもいい服がほしいわけじゃない。
これどうかな？ちゃんとしてるかな？縫製は？ってレビューをしらみつぶしに見て、カートから商品を削除したり、入れ直したりしながら、自分にとってのいい買い物ができるか、真剣に真剣に考えてる。

新しい服買って、次から次へと服捨ててるわけじゃない。
「ずっと着ているジャージ、大好きです」の方へ。私もう35歳だけど、10歳の時からきてるTシャツ大切にしてます。もうボロボロだけど、着心地よくて大好きだよ。
別にSHEINがいいわけじゃない。
もちろん、古着だっていい。
でも古着は高いし、結局安い古着は、H&M、ユニクロ、GUなんかのファストファッションだったりする。（知ってますか？）

いやいやいや。まって。
誰かを犠牲にした服でファッションって楽しめる？
それって気分は上がらなくないか？
その服着て、胸張って町を歩ける？

SHEIN着てても、胸、張って歩かせてくれよ。

MADE IN たくさんのユニクロと少しのSHEINと少しの古着（ファストファッションの）の私は思う。
「お願いだから、胸、張って歩かせてくれよ。」
そりゃ、さまざまに配慮された服を纏った自分はもっともっと素敵だろう。
けれど毎日は続くし、1万円のTシャツ一枚は毎日着られないし、ファッション楽しみたいし、配慮された服はとても高い。

これって「マクドナルド毎日食べるより、自炊した方が安上がりなのに、なんでしないんだろう？」っていうのに少し似てるね。
料理は突然覚えて明日からすぐできることではないし、野菜も果物もとても高いし、オーガニックみたいな食品はもっと高い。

これが、貧しさなのかな。でも、そんな私でも誇りを持って生きたいわけだ。ファッションで気分上げていきたいわけだ。

だから、えー、SHEIN着ていても、私はひとまず、気分は上げていきたいとはおもう。
SHEIN着て、「私、SHEIN着てま〜〜〜〜す！！！」ってみんなにもちろん言いたくはないけれど、でも、楽しく服着て、気持ちくらいは上げたいのだ。環境や人権に配慮されてないのを分かった上で、それでも気分は上げたい。

1万円のTシャツ、買えるようになるまではお願いします。

貧困、人権、環境。
さまざまな問題は全部つながっているのに、人権問題も環境問題もまだまだ自分ごとには思えないんだ。ケニアの人の顔を思い出しても、SHEINで服を買うのをやめようって思えないんだ。

ファストファッションは批判され、
さまざまに配慮された服は高い値段で売られている。そして、それを買える人たちがいる。
その裏っ側で、配慮された服を買うことができない私は、シーインの悪事を知っても買うの？買わないの？狭間で葛藤してる。
だって知ってしまっているから。
「わかる」と「できる」の間には大きな隔たりがあるって、昔、先生言ってたね。その隔たりは何で埋まるのかな。努力かな。お金かな。その両方かな。

いや。でもね。

新品買うのは控えようと思う（なるべく頑張る）。
これが自分のできることだろう。
代わりに安い古着、買うよ。（何度も言うけど安くて綺麗な古着はだいたいファストファッション。）（結局、ファストファッション買う人と、ファストファッションの古着買う人はおんなじような人たちで、おんなじ場所でぐるぐる回ってるのおもしろいね。）
今の気分と違うなって思った服はちくちくリメイクして着るね。そういうの、すきだし。

上質なものいっぱいもってる方たちは、もういいんじゃない？
新しい上質なものも、もうつくらなくて良いじゃん。
新しく買わないでいいじゃん。
と、思うよ。