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兄弟によるチームプレー

確か、三男のおむつが外れて間もない頃だったと思う。
とあるショッピングモールで「オシッコ!!」と申し出た三男に対し、私は長男と次男に「頼んだぞ!」と言いトイレに送り出した。

私はグズっていた四男を胸に抱きながら、「付き添いが2人もいるからどうにかなるだろう」「いやまだ少し荷が重かったのではないか」「間に合わなかったときの着替えは持ってきているはず…」など色々なことを考えながらトイレの前で彼らが出てくるのを待っていた。

ほどなくして彼らはとても自信に満ち溢れた誇らしい表情でトイレから出て来た。
何故か次男の頭は濡れていたが。

…なんでや。

私がそう聞く前に彼らは「三男、ちゃんとズボンおろしてオシッコできたで!」「こぼさへんかったで!」「オシッコ、デタ!」と口々に報告してくれた。

そうかそうか。ミッションは無事に達成できたか。よくやったぞ、息子たち。

「ほんで、なんで次男の頭は濡れてるんや」と聞く私に「あんな、だってな、三男がオシッコ外にこぼしたらアカンな、と思ってな、ちゃんとトイレに入るかなって見てたらな、上からジャーって水が出てきてん」と次男。

ほぉ。上からとな。それはどこの上からや?

すると長男が「うん!長男がおるから見えへんって言って、もっと見ようと思ったら上からジャーって水が出てきてん。なんもせんでも勝手に流れるヤツやってん。大丈夫やで。ペーパーで拭いたから」

おー、そうかそうか。
要約すると「三男のオシッコの行方が気になるあまり男性用便器に頭を突っ込んで見ていた次男の頭に何かのはずみでセンサーが反応し、容赦なく水が流れ、それを長男がトイレットペーパーで拭いてやった」ってことやな。

素晴らしいチームワーク!突発的なアクシデントにも自分たちで上手く対処できている!そして何よりも与えられたミッションをちゃんとこなしている!いいぞ、息子たち!君たちに不可能はない!!

これだけの賛辞を宣べれば便器の水をかぶって出てきたショックも払拭できるかと思ったが、思ったよりも精神的ダメージは大きく、私は買い物もそこそこに4人を連れてショッピングモールを後にした。



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