「自分がいない場で、自分について話されている会話」を聞く効果が発見されたエピソード
今後、いろんな人に話すであろうエピソードを「リフレクティング 会話についての会話という方法」で見つけたので、図解しておく。私が説明したいところ以外は極端に省略しているので、詳細は本を読んでほしい。
前提:「ミラノ派」のセラピーの方法
まず、あるセラピーの方法を説明する。二つの部屋があり、真ん中にマジックミラーがある。右の部屋から左の部屋は見ることができるし、音も聞こえる。左から右は見えないし、声も聞こえない。
左の部屋に治療対象の家族とセラピスト2名がいて、いろいろ話す。右の部屋には「観察者」がいて、その会話を聞いている。
その後、左の部屋のセラピストが右の部屋に移動して、観察者と一緒に相談する。
移動した2名は家族のところに戻り、コメントをしたり、処方をする。
これで終わり。
特徴:観察者が中立的にアドバイスできる
右の部屋の「観察者」は、家族の状況等を気にせずに客観的でいられて、それを元にアドバイスができる。
問題点1:右の部屋で介入方法の合意ができない
右の部屋で相談したとして、結論がでないときがあるらしい。みんな見解が違うとか。ありそう。
問題点2:右の部屋で話した結論が、左の部屋に戻ったときに実行できない
右の部屋で出た結論が、左の部屋に戻ったときに、「すぐにまた家族らの悲惨さの中に引き戻されてしまって」実行できないらしい。一部引用する。
出てきたアイデア:治療対象の家族に隣の部屋のセラピストの会話を聞いてもらう
引用する。
つまりこんな感じだ。左の部屋から右が見えて、声も聞こえる。セラピストのうち1名だけ異動して、右の部屋で話す。
その結果起きたことも引用する。
このアイデアがすごすぎる!
何が変わったのか?
本を読めばちゃんと書いてあるから、私なりの解釈でざっくりと書いていく。
家族側:セラピストらの結論の出ない議論をみて、自らヒントを読み取る
アドバイスや処方をされるより、自らヒントを読み取って対応出来たほうが、効果的な場合がありそう。
セラピスト側:「客観的で正しい観察者」という不愉快な専門家像を脱することができる
完璧ではない様子をセラピスト側も見せることができる。解決策をそのまま見せなくても、勝手に家族側が変化してくれる可能性があるし。
セラピストが家族に観察されるときの会話のポイント
ポイントがあるらしい。
1.断定的な話し方は避ける
「私は・・・と感じた」「ひょっとすると・・・かもしれない」と、唯一の正解ではなく、多様な選択の可能性を提示する。家族側にいろんな解釈の余地を残す。
2.家族について否定的なことは言わない
「家族がこんなことをしないなんて理解できない」ではなく、「もし家族がこんなふうにしたら、どんな風になっていくんだろう」と表現する。
3.家族と視線を合わせない
部屋が区切られていない場所で、セラピストの会話を見せる場合、家族の方に目を向けて話さず、セラピスト同士で向き合って話す。それによって、聞いてる人達を視線で縛ることをせず、「聞かなくていい自由」が確保される。
応用:「上司」と「部下」に置き換えられるだろうか?
上司が右の部屋であーだこーだ話している姿を部下が左の部屋で見ることで、何かおきるだろうか。
・・・と、いろいろ応用できそうだ。
「会話についての会話」は、2on2という方法にまとまっている
具体的な方法は、この本を読めばもっといろいろ書いてあるはずだ(すみません、まだ私は読んでません)。2on2という「対話」についての本だ。
今回は以上です!
追記:オープンダイアログを教えてもらった
知らなかったのでひとつだけ記事をみた。
今回紹介したかったエピソードは「変化前」と「変化後」の両方の比較の部分だ。「変化後」とオープンダイアログは似てるかもしれない。でも、変化前との比較の部分に一番情報が詰まっている気がして、その変化の話を伝えたかったと気づいた。
コメントありがとうございました!
誰かが書いてたけど、サポートしてもらったらそのお金をだれか別の人のサポートに回すと書いていて、それいいなとおもったのでやります!