Unbrave call(サモア戦感想)

Unbrave call

あの選択がそのような名前で後世に残らないといいが。

ラグビーワールドカップ、日本ーサモア戦、後半最後の日本のスコアになったPG選択だ。4トライでのBPは取れず、おそらくチリに大勝するであろうアルゼンチンとの最終決戦に、引き分けという選択肢はなくなった。
もちろん勝つべきで勝利だけを目指して試合に臨むべきだが、戦略的に重要なオプションを失ったのは事実だ。 

その前にサモア陣ゴール前のモールアンプレアブルでトライチャンスを逃したのが大きいが、その後にショットを狙うのであれば、あの場面の直前のペナルティでのラインアウト選択は「一貫性」という意味では疑問だ。もちろんモメンタムがあったのでああ判断した、というのはわかるが、個人的には14人のチームを相手にするならあの場面は人数差を優位に使いやすいスクラム選択だったと思う。もし7人で組んでくれば押せる、という状況でもあったし、サモアはその方が嫌だっただろう。

時間の使い方としても、最後のPG選択は誤っていると思う。結果的にサモアにもう一度攻撃するための十分な時間を与えてしまった。 

2015の南ア戦、後半遅くに南アがPGを狙った時、堀江は「相手が退いたな」と精神的優位を感じたという。それが歴史的な逆転勝利に繋がったわけだが、メンタルという面では、あのPG選択はサモアに息を吹き返させてしまった。

PGを狙わずにあそこで4トライ目がとれていたかはわからない。ただ、ジャパンのあの選択は「弱さ」をサモアに、ひいてはアルゼンチンに見せてしまうものだった。

あの選択は、失敗。私はそう考える。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?