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#12 あなたを理想の人間に進化させるGoal設定

 あなたが現状に満足していない場合。
 あなたが日常から抜け出したい場合。
 あなたがもっと素晴らしい人間になりたい場合。
 Goalの存在が、あなたを現状の外側へ導いてくれるでしょう。あなたが心から望む現状の外へ、Goalが連れ出してくれるでしょう。
 
 Goalとは、時に夢と称されることもあります。
 『現状では絶対に達成できそうもない。でも、心から叶えたい』こと。
 それがGoalです。
 
・現状では絶対に達成できないこと。
・心から叶えたい。want to(したいこと)であること。
 
 この二つの原則を守れるならば、Goalは正直なんでも良いです。そして、そのGoalは必ず達成されます。
 だから、復讐したいでも良いのです。
 「私を振ったあいつを見返してやりたい!」という復讐心でも機能するなら、それがあなたにとっての正解です。
 
 大切なのは、本音を抑圧しないこと。
 それが、どんなに低俗で、醜悪で、人には到底言えないようなGoalでも、機能するなら、それがあなたにとってふさわしいGoalです。
 もちろん、犯罪はダメです。言うまでもないことですが、一応言わせてください。
 
 Goalを設定することで、脳とマインドの使い方を洗練させていく。
 世のプロフェッショナルが、子供の頃から無意識に鍛えてきたものを、私たちは意図して手に入れ、意識的に洗練させていく。
 それが、Goalを設定する目的です。
 
 Goalを上手に設定できると、必ず達成されます。
 カチャンとまるで歯車が噛み合ったみたいに、Goalを設定できると、Goalは必ず達成されるものです。
 
 その理由を今から説明します。
 
 突然ですが、人は重要なものしか見えません。
 ある実験がありました。
 セミナーにやってきた腕時計を持っている人に、その腕時計を思い出して貰い、紙に書いて貰う、という実験です。
 すると、殆どの人が3〜6ヶ所間違えてしまいました。
 日常的に時計を見ているはずなのに、です。
 
 つまり、殆どの人は、時計を見ていないのです。
 あなたが時計を見るのは、何のためですか?
 時間を知るためでしょう。
 だから、時計のデザインや外観などの重要性が低くなり、結果、認識できなくなってしまうのです。
 
 これを「スコトーマ」と呼びます。
 目に見えているものや、聞こえているものが全てではありません。
 見えていないだけで、実は、目の前にはたくさんの貴重な情報があります。
 
 ニュートンは、家の庭でりんごが落ちるのを見て、「万佑引力の法則」のヒントを得ました。
 アウグスティヌスは、隣家の子供の声から、神の啓示を得たと考え、回心を体験しました。
 
 りんごが落ちる様子も、隣家の子供の声も、私たちにとっては、何の意味もないノイズです。
 どちらを見ても、聞いても、私たちは「だから?」としか思いません。
 ならば、何故この二人の偉人は、この何の変哲もない出来事から、ひらめきを得たのでしょうか?
 
 答えは、探していたからです。
 とにかく必死に探していたからです。
 どこにあるか全く分からないけれど、絶対にあるはずだ、ただ私には見えていないだけだ。
 そう考え、探し続けたことで、実際に見つけることができた訳です。
 
 故に、Goalを設定するのは、目の前にあるのに、認識できない貴重な情報を見えるようにするため、とも言えます。
 
 私たちも、ニュートンやアウグスティヌスのように、ひらめきを得られるようになりたいのですが……しかし自分なりに探していると、それが見つかるのは、もしかしたら百年後になるかもしれません。
 
 要は、脳とマインドの使い方が下手なのです。
 だから、私たちはGoalを設定し、少しでも上手に脳とマインドを使えるようになりたいのです。
 
 Goalを上手に設定できると、スコトーマが外れ、Goalを達成する為の貴重な情報が見えるようになります。
 Goalを達成する方法が分かれば、後はもう達成するだけです。だから、スコトーマが外れてしまえば、既にGoalは達成したも同然ということになります。
 
 その上手なGoalというのが、「現状では絶対に達成できない」かつ「want to(したいこと)」であることです。
 
 なぜ現状では絶対に達成できないGoalでなければ、ダメなのでしょうか?
 
 現状でも達成できそうなGoalだと、脳は変わる必要がないと判断してしまうからです。
 
 例えば、「課長になりたい」というGoalは、今の自分から変わらなくても、現状のまま成長してしまえば、達成できてしまいそうです。

 すると、脳は働きません。

 脳はサボりがちの面倒くさがりなので、必要性がなければ、現状を維持しようとするのです。
 何故なら、現状の内側の出来事であれば、脳はその対処法を知っているからです。
 知人と話す時、私たちは何を話せば良いのか分かりますよね。相手がどんな話題を好み、どんな話をすると怒るのか、私たちは知っています。
 しかし、初対面の人間の場合、私たちはゼロから探っていかなければなりません。
 脳はそれが嫌なのです。面倒くさいのです。
 
 故に、Goalというのは、今の自分を根本から変えていく前提でなければ、脳は動かないのです。
 『自己進化』です。
 『自己超越』です。
 それを迫られるのが、良いGoalになります。
 つまりは、Goalを達成した自分と現状の自分を比較して、今の自分を石ころに見えたら、それは、もしかしたら良いGoalと言えるかもしれません。
 
 次に、“want to”であることです。
 “want to”の反対は、“have to”です。
 “have to(しなければならないこと)”のGoalを設定した瞬間、脳は動かなくなります。
 
 なぜか?
 “have to”は現状の内側だからです。
 私たちは基本的に、したくないことをして生きています。したくない勉強をして、したくない仕事をして、したくない人間関係の中で息をしています。
 
 私たちの日常は、たくさんの“have to”に侵食されている、と言っても良いでしょう。
 だから、“have to”のGoalは決して、現状の外側にはなれないのです。
 設定しても、脳は動かないのです。
 
 というか、理想の未来をGoalに設定したいのに、したくもないことを入れるなんて、しょうもないですよね。
 
 Goalとは、理想の自分であり、超人です。
 私が最高に格好いい、美しい、誇らしいと思える私だけのヒーローなのです。
 そういう自分を設定すれば、良いのです。
 
 Goalを設定すると、スコトーマが外れ、Goalを達成する方法が見えてきます。
 だから、まずはGoalを設定しましょう、というのがコーチングの基本戦略です。
 
 そこから、コーチとのセッションで、Goal設定を洗練させたり、Goalを更新したりします。
 また、アファメーションを活用することで、Goal達成のスピードを加速させることも可能です。
 
 具体的なGoal設定のやり方、いわゆる「GoalNote」はまた別の機会に伝えたいと思います。
 
 それでは、また。
 
 

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