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48ノ月の壁新聞 熟成下書き

 48ノ月(ヨハノツキ)です。
 イラスト付き縦スク小説『銀河フェニックス物語』をnoteに連載しています。

 今日のお題は  #熟成下書き  ということで、「note」ではなく「ノート」に書いていた『銀河フェニックス物語』の下書きのお話です。

 わたしが『銀河フェニックス物語』を書き始めたのは十六歳の頃でした。その経緯をまとめた記事はこちら。

 で、十代当時書いていたモノとnoteに投稿したモノを見比べちゃおう、と思いつきました。

 第一話「永世中立星の叛乱」

 十代当時は力不足で完成できませんでしたが、現在公開している第一話の半分ぐらいまで書いていました。
 その中から、レイターが銃を持たずにティリーを助けに行って撃たれてしまった、というシーン。

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 原稿用紙のルーズリーフに鉛筆で一生懸命書いてました。
 消しゴムで消しては書き、消しては書きで、仕上げるのに今とは比べ物にならないほど時間がかかりましたね。

 十代の頃は三人称で書いていました。

ドアの開くブザーが鳴った。
ティリーはびくんとはね起きた。
「レイター?」
つぶやくと彼女は慌ててタラップへ走った。
「レイター」
ドアのところにレイターは立っていた。うつむいて目を閉じ、ドアにもたれかかって立っている。
ティリーはレイターの前に立った。
レイターはゆっくりと顔を上げ、うっすらと目を開けた。
「よお、ティリーさん……ただい……ま」
それだけ言うとレイターの体はガクッとくずれ、ティリーの上へのしかかるように倒れてきた。
「キャアアアアアァァ」
ティリーの声が闇の中にこだました。


 同じ場面がnoteでは一人称。ティリーの視点です。

下からあおり白襟後ろ目やや口逆

 入り口のドアが開く音がした。
「レイターだわ」
 わたしは入り口へと走った。

「はあい、ティリーさん」
 何だかレイターの様子が変。千鳥足で酔っ払っているように見える。
「お酒飲んできたの?」
「あん?」
 顔が赤く目が充血している。

 やっぱりお酒飲んできたんだ。「すぐ、追いかける」って言ったくせに。 何だか腹が立ってきた。
 あんなに心配したのがバカみたいだ。
「一発、撃たれたらよかったんじゃないの」
 なぜこんな言葉が口をついてでたのかわからない。軽口のつもりだった。

 レイターが壁にもたれながら苦しそうな顔で笑った。
「知ってる? ティリーさん。一発撃たれるって、痛いんだぜ」

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 レイターの身体が崩れ落ちた。左の脇腹を押さえるレイターの手が血で真っ赤だった。

「レイター!」
 わたしの声がエアポートにこだました。

 さて、いかがでしょうか?

 お酒がでてくるあたり、大人になった感じがしますね。文章も今の方が読みやすいと思うので、成長した、と言うことにしておきたいと思います。

 同じシーン。友人が描いてくれたコミカライズをチラ見せ。

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第一話「永世中立星の叛乱」をはじめから読みたい方はこちらからどうぞ。



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ティリー「サポートしていただけたらうれしいです」 レイター「船を維持するにゃ、カネがかかるんだよな」 ティリー「フェニックス号のためじゃないです。この世界を維持するためです」 レイター「なんか、すげぇな……」