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自然経営と老子とハイブリッド

「自然経営」の著書であり、たぶん日本で最初にティール型組織を会社に実装したダイヤモンドメディア社の創業者・武井浩三氏も参加したアクティブブックダイアログに参加しました。
「自然経営」(じねんけいえい)の名前の由来は自然農法で、肥料もやらず放ったらかし(管理しない)で収穫をあげる方法だそうです。
武井さんが実践したティール組織の課題や問題解決策などティールの実用書という側面と、ヒエラルキー型の機械的な組織から、生命体のような有機的組織へ向かう実存的変容について解説されてます。武井さんは凄く勉強していて、ロジカルに世界を踏まえ様としてるけど内面的には未来が見えてる人ですね。機械から生命への変容こそ自然。とは言え、そもそも自分自身も自然の一部。その真理に近づくにはとにかく語り尽くし、やりつくす運命を知っている人なんでしょうね。
個人的には老子の言葉で「無為自然」を思い出しました。
意思を持たない天地は「無為」でありながら自然の全てを動かしている。
人もエゴによるコントロールがなくなれば作為なく物事を成すことができる。でもそれは、何もしないで出来るのではなく、やり尽くしたからこそ出来る事。自然に委ねるにはまだまだやることをやり、知ることを知らないとその境地にはいただないのかと思います。

また、老子は

『汝、心を淡(たん)に遊ばしめ、氣を漠(ばく)に合わせ、物の自然に順(したが)いて私(し)を容るることなければ、而(すなわ)ち天下治まらん』

「私情を挟むからおかしなことになるのであって、成り行きに任せれば天下は治まるものだ」と言っています。ここでも、自然とは「私」を混じえないことだとされています。まさに、宇宙の流れに乗ること。この状態を「自然経営」でいう<実存的変容>と呼ぶのではないかと感じました。

『老子』の思想において「道」は「天地の本体にして根源」のことであり、物質であると同時に神を意味すると書かれています。この半物質・半神の「道」はつまり<ハイブリッド>です。これからの時代は機械と人間という対立ではなく、いかに融合するか、つまり<ハイブリッド>だと思います。それも、いままで超能力と言われてきた様な人間の持つ超越的能力とテクノロジーの融合。SFっぽいですけど、いわゆるガンダムのニュータイプやスターウォーズのフォースに近いものです。スターウォーズでルークがデススターを攻撃するとき死んだはずのオビ=ワン・ケノービの「フォースを使え」という声が聞こえる。ルークはXウイング(戦闘機)の自動照準を使わずに心を集中させフォースで見事デススターの急所に命中させるシーンはまさにテクノロジーとフォース(理力と訳されますが、いったら超能力)の融合です。

まずは目先のテクノロジーAIのハイブリッドから。「WIRED」創刊編集長をつとめたケヴィン・ケリー氏が語るテクノロジーの未来もハイブリッドです。チェスの世界チャンピオンのガルリ・カスパロフ氏はDeep Blueに負けた時に、自分もAIと同じデータベースにアクセスできれば勝てると考えた。そこで、AIと人が協働してチェスをやる『ケンタウロス』というチームを立ち上げた。『ケンタウロス』とは、ギリシャ神話に出てくる半人半馬の種族のことで、コンピュータと人が協働することを指している。このように、AIと人が協働していくことが、今後さらに重要になっていくとケリー氏は強調をしました。人とテクノロジーの未来、まずはハイブリッド思想があればAIが恐ろしいシンギュラリティを起こさなくてもすむのではないでしょうか。

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