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【バーチャルメタバースからリアルメタバースへ、web3のイデオロギーから見た「ありたい姿」とは?】

VRからARへ、web3とかDAOとか最近のこの辺をまとめてみました。
Appleが「3D複合現実世界での接続体験を可能にするツールやフレームワーク」の構築に携わるエンジニアを求人してる様です。Apple独自のメタバースプラットフォームを開発しているのかと想定されますが、iPotとiTunesの時と同様にハードとソフト、iPhoneとアプリの両方というのがAppleだとすると、重くて機能も初歩的なヘッドセットmeta questとWorkroomsしかないmetaを比べるとAppleのXR(複合現実)ゴーグルの登場とアップル独自のメタバースにの方が期待できるかもしれません。それにしても、Appleのヘッドセットは現状高額なので、これはおそらく開発環境向けで、このヘッドセットでベンダーがある程度開発した段階で、一般ユーザー向けのヘッドセットを投入するには後3年は必要かもしれません。とはいっても2023年市場に出るAppleのXRゴーグルはiPhoneより軽いと言われmeta questとは雲泥の差です。5年後には電車の中でスマホを見る人に混じってAppleのXRゴーグルでゲームや動画を観たり、仕事をする人も出てくるでしょう。

メタバースはmeta questのVRが先行している様に見えますが、それはMeta社の投資額が高額であり注目が集まっただけで。将来的にXR(複合現実)がスタンダード化すると思います。何が違うかというとmeta questの様にヘッドセットをかぶって見る閉じた世界と眼前のモニターがシースルーになっていて実際の視界上に様々な情報や画像が展開される様なイメージがARです。これが融合するとXRになります。

メタバースには大きく2つの流れがあって完全に仮想のヴァーチャルな世界でゲームやエンターテイメントを楽しむユーザーと、リアルな世界とヴァーチャルな世界を融合または拡張するこれからの一般利用者向けの大きく2極化しています。このことをしっかり踏まえておく必要があって混同すると見えなくなってきます。


 バーチャルメタバースの世界では「Roblox」や「荒野行動」「あつまれ動物の森」の様に現実と異なる閉じた世界で、ゲームやコミュニケーションを楽しむもので経済は閉じたゲームの中だけでアイテム購入などです。この世界では人は匿名でゲームのキャラクターやゲーム世界の閉じたコミュニティーでつながっています。
 一方、リアルな世界の取り込みは、WEB2でお店がECに、TVがYouTubeに、その他の広告がFacebookなどのオンラインに移行したのと同様に経済活動や生活の一部が仮想空間で営まれるようになっていきます。ザッカーバーグはそこを目指していました。だからコロナ禍もあってアバター会議みたいな現実の経済活動をメタバースに持ち込みます。metaのヘッドセットquestは当初Facebookのアカウントがないと利用できませんでした。これはメタバースを現実の世界の延長として実名で利用しなさいという意味ですが、これが反発を受けFacebookとの連動を取りやめました。
つまり、現在、メタバースで遊んでいる人のほとんどは匿名性のゲーム世界に居て、しかも男性の70%が女性キャラで入っています。このバーチャルメタバース市場ではリアルを持ち込んだところで、そんなことは求められていないし反発しか喰らわないのが現状ということです。彼らはリアルメタバースに企業がブース作ったりしているのを見て、「なんでメタバースに現実を持ち込むんだろう?」と思っているでしょう。

バーチャルマーケットの様なリアルメタバースに出店している企業は、そもそもバーチャルメタバースには興味がありません。なぜならゲームのプラットフォーマーにはなれないからです。XRゴーグルの登場などによって将来的にはリアルメタバースに徐々に移行すると仮定するとweb3の大きな違いは経済活動、さらには生活のオンライン化です。web3の経済はトークンエコノミーが基本にあるため、根底にブロックチェーンがあり、経済は既存の法定通貨ではない取引が一般化することで、はじめて本質的なWEB3の土台ができます。

WEB3の背景は社会思想だと思っていて、つまり、自律分散型の意味する所は、非中央集権です。とすればdocomoや国がWEB3と言い出している背景と実は矛盾しています。国会という中央集権と大企業という資本構造の逆にある社会と経済の構造がWEB3の目指す世界の様に思います。

 通貨発行権を持つ国家のお金は使うのやめましょう。税金払うのやめてトークンにしましょう。組織が資金を留保しないで透明性をもって合意の上で構成員に分配しましょう。とか、そういう運営ルールもDAOで決めて行きましょう。というのがWEB3のイデオロギーから見た「ありたい姿」なのではないか。結論的には資本主義が内部崩壊していく構造なのだと思うのです。

国にとっては通貨と税金の問題。企業にしてみれば、中間マージン的な構造やヒエラルキーの崩壊、例えばDAOにおいてはYouTubeの動画の視聴数に対する収益は中間搾取される事なくユーザーに分解される。つまり、企業がプラットフォーマーとしてお金を中抜きする事がない構造が想定されます。流通も生産者が直接販売し手数料がなくて済みます。

WEB3の運営を仮にDAOだとすればプラットフォーム自体が分散していて管理サーバーもなく、運営主体が検閲の権利もなく参加者の合意に基づいて運用され、スマートコントラクト(契約の自動化)で運営され、中間業者が入らず、参加者のインセンティブは自動的にトークンとして分配される仕組や構造が想定されます。

今まで金融は多くの規制の上に成り立っていましたが、現状のトークンエコノミーでは規制がない。つまり、取引履歴は全てブロックチェーン上にあり信用調査的なものは必要がなくなります。

例えば、DAOでソーシャルバンクを作ることもできます。有志の全員が銀行にある資産を全て仮想通貨にしてDAO上にプールします。例えば学校がない町でも有志を集め、その資金を元に学校を作り学校の月謝は有志の合意に基づいてトークンで支払われ売上もトークンで分配されます。全てはトークンの流れは透明性を持ち利益の分配も明白となります。
という様に村単位、町単位で経済を合意性に基づいて運営することができて初めて自律分散が成り立つ。実際は日本の村の社会では行われていたことでもあります。
人口が増え続ける社会では人との距離はなるべく取りたくなります。人口が減少する社会ではそれぞれの信頼はブロックチェーンで担保され、限られた数のクラスターがオンライン上に村を作っていく様な構造がWEB3の未来の様な気がしています。


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