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【レポート】「アナログゲーム×哲学カフェ」を試してみた(ANTEROOM TABLE 夏の特別編)

8月13日に開催した哲学カフェANTEROOM TABLEでは、会場で開催中の「art bit」展にちなみ、参加者とアナログゲームを体験した後に哲学カフェを開催する特別編として開催しました。当日は前半にアナログゲームをみんなで遊んだ後、その体験をもとに問いを決めて後半話すという流れにしました。

当日は10名の参加者だったため、多人数でプレイ可能なアナログゲームとして「ニムト」と「ジャストワン」をチョイス。

ニムト

まずは「ニムト」をプレイ。1から104までの数字の書かれたカードを、場にあるカードの隣に一斉に並べていくゲームです。プレイヤーは一斉に手元のカードを1枚場に出し、そこから数字順に並べていくのですが、カードが6枚横に並ぶとその列のカードは6枚目を出したプレイヤーが獲得することになります。このゲームはできるだけ「カードを獲得しない」ようにするゲームで、周りの出す数字なども想定しながら手札を出していく必要があります。

ルールに従い、4枚のカードの右隣に手札を並べていく

大人数でやると運の要素がけっこう強く、ルールも単純で初心者でも盛り上がりました。さすが名作と言われるゲームです。

ジャスト・ワン

続いては「ジャスト・ワン」をプレイ。こちらは先ほどとは毛色が違い連想系のゲームで、選ばれたお題についてのヒントをみんなで出して、(お題を知らない)一人に当ててもらう流れになります。ただし、ヒントとして出すキーワードが他の人と被ったらそのヒントは使えなくなってしまうため、他の人と被らないような微妙なヒントを出していく工夫が必要なゲームです。

実際やってみるとみなさんのヒントのセンスが面白くて盛り上がりますね。面白かったのは「阪急」「泉」「ギャラガー」などのヒントがあった会。みなさん何かわかりますか?(正解は末尾)

哲学カフェ

「もっと遊びたい!」という声もありつつ、趣旨をストイックに守り(笑)哲学カフェパートに。ジャスト・ワンと似たような形で、さきほどのゲームの体験を表すキーワードを1語で表してもらいました。そのキーワードを参考に、共通点が多かった「想定」をテーマに哲学カフェを行いました。

「ニムト」のように想定外を楽しむゲームがある一方で、将棋のように想定通りに進むことに楽しさがあるゲームもあります。この違いはなんなのだろう?という問いを軸に話が進んでいきました。

旅行でも計画通りに回っていくことが好きな方や、想定外を楽しむのが好きな方とでタイプは分かれると思います。しかしトラブルを楽しめるという方も、危険な事故までは望んでいないという方が多いでしょう。「想定外」といっても、そこにはある程度許容できる範囲が存在し、その範囲を決めるための前提のようなものがあるように思えます。ゲームにおいては「ルール」の存在が、想定をする楽しみと、想定外の楽しみ、その両方を下支えしているようにも思われます。旅行においても同じように、その国の法律やルールが、想定外を楽しむための必要条件になっているのかもしれません。

「想定」を考えることで、さまざまなルールの存在や意味について考えることになった不思議な時間となりましたが、これもアナログゲームという共通体験のおかげなのかもしれません。哲学カフェとアナログゲームの相性のよさを実感した企画でした。

(おわり)

※ジャスト・ワンのヒントの答えは「オアシス」です。わかりましたか?

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