クラシック音楽の録音と出会った日
2010年頃を境にして、仕事で使っていたレコーディング・スタジオが次々と閉鎖……「これはヤバい(=食えなくなる)」と直感したフリーランスの私は、打開策をぐるぐると考え悶々とする日々を送っていました。
「スタジオワークは競合が多すぎる。どうせなら、以前からやりたかったライブ・レコーディングをやろう!」
と思い立ったものの活路は見いだせず。そんな最中に聞いた1枚のディスクに衝撃を受けます。「なんだ! この録音は!」……私は後先考えず、そのレコード会社にメッセージを送ったのです。
「荷物運びでもなんでもやりますので、現場を見せてください!」
忘れた頃に返事があり、運良くレコーディング現場を見学できることになりました。録音を終え、できる範囲で片付けを手伝うと「次からはギャラを出すよ」……これが、師匠との出会いです。
当初は、小澤征爾さんと現場を共にできる日が来るとは思ってもみませんでした。一般的には無名なレコード会社ですが、オーケストラや室内楽の録音に於いては超一流だったのです。
会社員だったら潜り込めなかっであろう環境、今でも人生で最高の自己投資と思っています。
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