メンタルモデルを理解したい人は「推論のはしご」で内省しよう
UIや文言の話をしていると、「メンタルモデル」の話がよく出てきます。
ただ、メンタルモデルがどう作用をするものなのか、あまり実感がないという方もいらっしゃるかもしれません。
この記事では、メンタルモデルを肌で感じたい人、腹落ちしたい人に向けて、「推論のはしご」をおすすめします。
※「そもそもメンタルモデルってなに?」は、弊社で実施しているプロダクトライティング講座の資料がわかりやすいので、そちらを読んでみてください。
「推論のはしご」とは
推論のはしご自体の説明は、正しい定義をお伝えするためにもAsanaの記事から引用します。
どんな時に「推論のはしご」で内省するとよいか
モヤモヤする、イラッとした、悲観的な思考に囚われている、こんな時におすすめです。
冷静になると「本当はこうありたかった」と感じる意思決定や行動から乖離した思考や言動をしてしまったと思うことがあれば、ぜひ「推論のはしご」を使って内省してみてください。
内省の文脈では、反射的、感情的に考えたり行動したりしたことを「推論のはしごを駆け上がる」と表現したりします。
推論のはしごを使って内省をすると、意思決定のステップと、そこに自分の推論(メンタルモデル)がどのように作用しているかを言語化できます。
内省の具体的な方法
推論のはしごには決まった問が用意されています。この問に答えていくことで、駆け上がってきた梯子を1つ1つ降りていき、自分のメンタルモデルを自覚していきます。
その場面で客観的に観測できる経験や事実は?
上記のうちから、あなたが特に注目した事実は?
その事実にあなたはどんな意味づけをしたか?
意味づけをした先でどんな結論をだしたか?
結論をもとに実際にした行動は?
この問いには上から答えても下から答えても大丈夫です。それぞれ関連しているので埋めやすいところから埋めていきつつ、自分の思考を深堀りしていくことが重要です。
私がもやもやしたときに内省をする場合は、一度ジャーナリングをして要素を書き出します。そのあと、書き出した内容をマッピングしつつ、空欄の問に答える形でさらに内省を深めていきます。
先程の問いが埋まったら、ここからさらに以下の問いを考えていきます。メンタルモデルの自覚には推論のはしごの基本の問だけでも問題ありませんが、メンタルモデルを変えることでより良い意思決定や生きやすさに繋がりそうな場合は、ここまで考えるのがおすすめです。
背景にあった思い込みや前提(メンタルモデル)は?
本当はどういう状態でありたかった?どうしたかった?
その状態であるために、どう考えたらよさそう?
その考えにを信じるためにどんな経験が必要か?
ちなみに、ちょっと問いの抽象度が高く考えづらいかもという方には以下の書籍がおすすめです。より状況にあった問の設定がされています。
推論のはしご記入例
恥を偲んで、推論のはしごを学ぶ講座でやった4年前の内省を例として記載します。このときは「上司に気軽に相談できない」というテーマで内省しています。
※「その考えにを信じるためにどんな経験が必要か?」は、独自に加えた質問でこの時はまだ入れてなかったので、入っていません。
まとめ)ユーザーにも私たちにもメンタルモデルがある
ユーザーにもメンタルモデルがあるように、私たちにも私たちのメンタルモデルが存在します。
まずは自分のメンタルモデルを自覚することで、ユーザーのメンタルモデルがどういった作用を及ぼしているのかを腹落ちした形で認識できると思います。
推論のはしごの良い点は、メンタルモデルを肌で感じるついでに、メンタルケアできることです。(※個人の見解)
システム思考(因果ループ図)やNVCなども、メンタルモデルや自己内省と相性がよい考え方です。興味がある方いらっしゃれば、おすすめ書籍をお教えしますので、ぜひお声かけください〜〜。
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