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MajiでKoiする5秒前

かに座である。

急になんだ、と思ったかもしれない。実は、私はかに座であり、かに座であることを何故か気に入っている。

かに座は、ちょうどいいコミカルさを含んでいると思っているからだ。


乙女座は星座として輝かしい雰囲気がある。天秤座や射手座は星座っぽくてかっこいい。おうし座やふたご座、おひつじ座は、なんだかメルヘンな雰囲気で可愛らしいし、さそり座や獅子座はおとぎ話の要になる存在である。水瓶座も、星座らしい雰囲気がする。


スピリチュアル界隈に怒られるかもしれないが、はっきり言って、星座素人からすると、やぎ座、うお座、かに座は雑魚である。

その中でも、うお座とかに座は特にひょうきんな雰囲気を纏っている。やぎ座は、他の2座に比べると、ストーリーの特別な助演になりうる可能性を、秘めている気がするからだ。


とりあえずかに座はさておき、うお座はどうだろう。読み方が「さかな座」ではなく「うお座」なのが、私の中でコミカルポイントを高くつけている理由である。これがもし、「おさかな座」だったら、かに座の単独走行となっていたことだろう。何故おさかな座にしなかったのか、それはやはり、星座を考えた時点で、既にうお座が軽視されていたからではないだろうか。しかし、この件について、友人に意見を求めたところ、「うお」読みの方がましだ、と言われた。お魚ではあまりにも捕食対象すぎるからだそうだ。もしも、おさかな座だったら、かに座と並んでいた、とも言った。要するに、彼の中でもかに座はやはり圧倒的雑魚&コミカルで、うお座がブービーという認識も、私の意見と一致していたのだ。そう思うと、結局うお座は、「うお」でも「おさかな」でも、やぎ座には勝てなそうである。


そしてかに座だ。
かに座は、うお座のように、頑張ればおさかな座になれたりもしない。かに座、と口に出した時の、力の入らなさも含めて、とても雑魚ミカルである。
かに座のコミカルさを最も実感するときは、「何座?」と聞かれた時である。私の統計上、「かに座」と答えた時が、1番何とも言えない空気感になるのだ。その点、何故かうお座は、口に出すときは、少し慎ましい雰囲気を醸し出す。そもそも、その後の答えを用意していないのに「何座?」と聞いてくる人の意図はわからないのだが、そういった人に、「私はなんでこんなことを聞いたんだろう」と最も強く思わせる回答こそが、「かに座」なのである。

これに気付いてから、自己紹介の機会があれば、無意味に「かに座です」と付け加えることにしている。そして、こんな無意味な情報をあえて紹介してくるとは、妙なやつだな、という意味を含んだかすかな笑いが、かぎられたごく一部の人間から生まれることを期待しているのだ。たとえそれが、どんなにわずかな人間であったとしても、かに座で小笑いしてくれる人のために、私は何度でもかに座を主張し続ける。なんだか言っていることだけは、SUPER BEAVERの歌詞のようである。しかし万が一、ここにやたら食いついてくる人がいても、へらへらとするくらいしかできない。

こんなことを書いてしまって、ほんとうに、星座界隈の人間に読まれないことを祈るばかりである。っていうか、そんなことを祈るくらいなら、はじめからこんな記事書かなければいいじゃないですか。

しかし、かに座の女の子は、どこか少し、大胆なのである。


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