ショートショート失恋墓地

「俺と、墓地に行ってください！！」
コータは、愚かな男である。
「え？ごめん、意味わかんないんだけど」
向かい合った女の子は、突然の申し出に困惑していた。

「ダメだったじゃんかよ〜」
私たちに泣きつくコータは、情けない男である。
「墓地に行ってくださいって、普通に考えたら、意味わかんないだろ」
タローはコータを馬鹿にしてケラケラと笑う。
「タローとユーナが、吊橋効果とかなんとか言うからだぞ。お前らのせいだからな」
ファミレスでクリームソーダをつつくコータは、子供っぽい男である。

告白するなら、吊橋効果を効果的に利用することだ、と言い聞かせ、ここら辺には吊橋はないから、最もドキドキする場所である墓地で告白しろ、と促し、もはや「墓地に行こう」と誘う事自体、告白の文言同然だ、と信じ込ませた。
こうして、コータの歴史的に最悪な告白文句が、生まれたのだ。

「別にさ、私たちといればいいじゃん」
そう言った私を、不満そうに睨んでくるコータは、可愛い男である。

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突然ショートショートを書きました。
たらはかに様のこれです。

フォロワーさんが書いていて、まびさんにも書けますよ！と背中を押していただいたので、同じお題で書かせていただきました。とかいうことを書くくらいには、このアカウントで真面目にショートショートを投稿することが、なんだか恥ずかしかったです。

生きているって恥ずかしい。
みなさんも是非書いてください。