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10月終わんの早くね

ここ最近、朝は暖房をつけたくなり、昼間は冷房をかけたくなる気温である。


車の運転をしているときにこれは顕著で、朝は車庫から出したばかりの冷え切った車内で足元が冷えるが、昼間は車体が太陽で熱せられて、なかはむんむんと暑くなる。
加えて私は、小さい頃母親に、「運転中に窓を開けると、削れたアスファルトが肺と結合して珪肺(けいはい)で死ぬ」というジンクスを教えられているので、「死んでもいいかな」と思えるタイミング以外では、窓を開けることに抵抗がある。窓の開閉で温度調節ができないとなると、昼夜の車内の寒暖差は、それは激しいものとなるのだ。

しかし、「朝晩は暖房をかけて、昼間は冷房をつける」という行動は妙だ。こんなことは、していいはずがない。
寒い時は暖房をかけるのはそうだ。暑い時に冷房をつけるのも良いだろう。しかし、1日のうちで冷暖房の両方を使うなんて、そんな恐ろしく、浅はかで、欲にまみれた行動を、とっていいはずがないのである。これはさすがに、あまりにも人間すぎる。法律にはあまり詳しくないが、そんなことをしたら、何らかの取り締まりを受けるはずである。


その冷暖房同時使用取締法を回避しようとすると、1日のうち、寒さと暑さのどちらかを我慢する必要がある。10月も下旬に差し掛かると、朝少し冷えるな、という日もあったが、これまでは、日中の車内の暑さに耐えられないことを思って、なんとか目を瞑ってきた。実際、昼間になってから、朝暖房を使用しなかった自分に感謝したことが何回もあった。あのとき暖房を使用していたら、今頃、脱獄してホテルを経営していたところである。

しかし、本日ついに、車内にて暖房を解禁した。暖房をつけた瞬間、もう、今日どんなに気温が上がろうとも冷房を使えない、ということがよぎったが、その手を止めることはできなかった。
日中、少しだけ暑いな、と思う時もあったが、少々削れたアスファルトを肺に結合させることでやり過ごせるレベルであった。


季節は私が思っている以上に、早く巡っているようである。
それなのに、どうして週末までの道のりは、いつだって長いのだろうか。
それでも今週は週末まで1日短いので、もう少し踏ん張るとしよう。



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