今流行りの、ひろゆき問答はソクラテスの真似事

 歴史は繰り返されるもので、議論やディベートと題した公然的にハラスメントすることが流行していますが、なぜこれが楽しいのかは以下で書いた通りなのでご参考にしてください。

ソクラテス「自分も何も知ってはいないが、自分が知らないと思っている。ただその点で自分が彼らより賢い」

 最近流行っているのいるのは、議論でもディベートでもないただの問答です。
 実際のディベートとや議論とは異なりますし、会話ですらない。

 問答の根源が相手の自尊心をぶち壊すことにあります。

「それって、あなたの感想ですよね?」

 ソクラテスが犯した自尊心を傷つける弁論方法ですが、問答の中で「それって、あなたの感想ですよね?」と同じことを繰り返しました。

 例えば、Aという人物と問答をします。
ソクラテス「貴方は、鉛筆を知っていますか?」
A「はい、知っています。」
ソクラテス「では、なぜ鉛筆は書けるんですか?」
A「鉛筆は芯があるので書くことができます。」
ソクラテス「芯とは何ですか?」
A「芯とは黒鉛を主成分に作られているものです。」
ソクラテス「黒鉛とはなんですか?」
A「???」
ソクラテス「あなたは鉛筆を知らないじゃないですか。」
「鉛筆は知っています。文字を書くことが出来るものです。」
ソクラテス「じゃぁ、黒鉛について説明してください。」
「今、鉛筆についてですよね?」
ソクラテス「あなたは、鉛筆が黒鉛で出来ていると答えたじゃないですか芯とは何かが分からないのに、鉛筆のことすらも知らないなんて無知ですね。」

 ソクラテスは、このような問答をし、ソクラテスを真似た若者で溢れかえり、ソクラテスのこの問答のせいで心を傷つけられた人たちの多くはソクラテスに怒りを覚えました。

 「それって、あなたの感想ですよね?」この質問は、相手に対して「XXについて知らないですよね?」をオブラートに包んだ言い換えです。

 相手が「無知であることを自覚」させることは簡単です。
 すべてを質問すればいいだけです。

 すべてを知っている人がこの世に居るのなら、戦争はなくなっているし、地球温暖化は起きていない。月へ片道400円で行けることが出来ています。

怒りを買い過ぎてソクラテスは処刑された

 近頃流行りの議論やディベートと言われているものがありますが、あれは議題について話しているように見せかけた自尊心を壊す行為です。

 いずれ廃れますし、廃れる前に死人が出て終わるでしょう。

 理由は、歴史が語っているからです。

 ソクラテスの真似をした若者が溢れかえり、嫌な気持ちにさせられた人々が増え怒りを売りつかられた人々は、ソクラテスを処刑しています。

紀元前400年頃にギリシャが経験したことを、
西暦2023年の日本で私たちが経験している。


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