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逃げるのってカッコ悪いこと?

息子と読んでる絵本
「シオドアとものいうきのこ えらくなりすぎたねずみのはなし」
気になる表現があった。

それぞれ自分の得意なことを行っていくシーン
ーーーーーーー
とかげ
「ぼくのしっぽはきれたって すぐはえかわるんだ」

かえる
「ぼく みずに もぐれるよ」

かめ
「ぼくは はこに なれる」

「で、きみは?」

こわがりやのシオドアはあかくなっていった
「ぼく にげられる」

「は!は!は!」
さんびきはおおわらい。

シオドアとものいうきのこ えらくなりすぎたねずみのはなし

仲間たちは笑い、またその表情もいやらしい。


私はそれをみて、過去の逃げたことを思い出した。

高校の選択体育(バレー)で
同級生から、いやがらせをされた時。
私がミスすると舌打ちしたり、メンバーと顔を見合わせて苦笑いしたり
点を決めた時ハイタッチを私だけスルーしたり。
その結果、体育の時間だけ保健室で休んだ。
幸い、同じクラスとか部活の人ではなく、
接点が選択体育の授業だけだったので高校生活は楽しく送れた。

同じ予備校に通う、同じ高校の仲良かった友人や
予備校でできた友人から無視されるようになった時。
そういう人達から逃げたおかげで受験勉強が捗ったし結果が出た。
幸い、そんな中でも仲良くしてくれた人が唯一1人いて
今も付き合いがある。

職場での長時間労働&ストレスを抱え
金曜日の午後から腹痛になり
土曜日に腹痛&高熱で寝込み
日曜日の夜にギリギリ平熱になり
体調不良すらも空気を読むようになった時。
理想の生活を送るための基盤を作った上で、2年で会社員を辞めた。
(3年は勤めないといけないっていう暗黙の常識、昔あったよね?
いまもあるのかな。)

振り返れば、逃げの多い人生。

そういえば、
友人に紹介してもらってサーティーワンでバイトをはじめた時。
私の渾身の発声も虚しく
「元気がなく声が小さい」と言われ
バックヤードで発生練習のご指導ご鞭撻を受け
ほどなくしてインフルエンザにかかってねこみ、
そのまま辞めたこともあった。
この件については各方面に、ごめんなさい。
でも、サーティーワンにいる自分、
めちゃめちゃ似合わなかった。

中学校くらいまでは
物事を投げ出すとか、途中でやめることは良くなくて
一筋に続けていくことが良いって思ってた。
続けた先には何かいいことがある、って。

私には兄がいて、彼は3歳くらいから水泳をはじめ
その成績によって高校大学進学→大企業に入社 という
物事を続けることによる「一般的な成功者」ルートを
間近でみていたというのもある。

でもそのルートだけが成功じゃないし、
幸せかどうかは成功によるものじゃない。色々ある。

続けることで自分が傷ついて
生きるのがしんどくなったら、すぐに辞めた方がいい。
傷ついて、逃げて生きてきた。
戦う必要はないと思ってる。


努力できない
信念がない
忍耐力がない
一生懸命さがない


って、ジャッジする人もいるかもしれない。
でも、そう言う人と交わることはない。
それに、一つのことから逃げたからといって
他の全てにおいて上記のことが当てはまるとは言えない。

一生ディナーをともにすることのない人に
何を言われても気にする必要はない

イネス・リグロン


ない、ない、なーい!な文章が続いてしまいました!

思うのは、逃げの判断ができるのってすごくない?ってこと。
ここまで続けちゃったからやめるのもったいないなって思って
頑張る人、多いよね。
それは「サンクコスト」っていう経済学の用語にもある。

マケフリ「サンクコスト効果とは?どこよりも分かりやすい入門編」から
引用させていただきました

結局、セオドアはうそ(いい思いつきとも言える)によって
動物界のトップになるも、そのうそが明らかになる。
ーーーーーーー
「うそつき!」
「いんちき!」
「にせもの!」
さんびきはわめいた。

「くわせもの!」
「やくざ!」
「いかさまし!」

シオドアはにげた。
そんなにはやくにげたことはなかった。



にげに にげた。
そうしてなかまたちはそのあと
にどと かれを みなかった。

シオドアとものいうきのこ えらくなりすぎたねずみのはなし


結構な罵声を浴びせてる。笑
ページをめくっても罵声が続くもんだから、
息子に読むときは「うそつき」と「にせもの」くらいにしてる。
全部読んだ方がいいんでしょうか。。。

最後は「ほ〜らね」って思わせたいような流れに感じてしまうんだけど
斜に構えた私は、
(シオドアは別のコミュニティで楽しくやってるよ。
毎晩パーティしてるかも。)

そう思って毎回絵本を閉じるのでした。


シオドアとものいうきのこ えらくなりすぎたねずみのはなし
レオ=レオニ
訳 谷川俊太郎

追記
この記事を書いてから絵本のレビューを読んで気づいた。
これは「嘘はよくないよね」という教訓の絵本なんだ!ということ。
なるほど〜〜。
私は逃げって部分に注目してたな。
嘘つきは駆逐されて然るべし、な結末。

またこれにも異論があるので、
今度「嘘をつくのはよくないのか?」って考えてみよう。

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