【ダンジョン潜り】 (2-11) ~光の矢~
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私たちはダンジョンの入り口を入ると、脇目もふらずに例の昇降台を目指し進んだ。
ガイオと私が皆を先導し、リドレイは術でダンジョンに渦巻く敵意を感知しながら、そしてバンクの狩人であるカリスは罠を警戒しながら、徒党は歩きつづけた。
道中幾度か小さな魔物に遭遇したが、私たちは協力して首尾よく いなした。
リドレイによれば、ティロム神殿は大空を臨む高台の頂上に築かれた塔であり、大祭壇の間はその中階層に位置している。
このダンジョン「つたの牢獄」がティロム神殿と同一のものと仮定すれば、私たちの通った入口は神殿の屋上に近い階層にあたり、そこから中階層まで下って大祭壇に至ったことになる。
「さらに下層がどうなっているのか確かめたいんだ。もしも我が王の御聖所に起こっているこの異変を突き止めないのならば、俺は月のクロークを脱ぐほかない。」
リドレイは全員をじっと見つめて賛同を求めた。
私たちは皆、無言で頷いた。
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昇降台を起動し、以前と同じように大祭壇の階層まで下る。
昇降台が止まると、私たちは暗闇の中で周囲を警戒した。リドレイのマジックライトで部屋が淡く輝きだすと、隅の方で動くものが認められた。
「何かがいる!守りを解くな!」
ガイオが盾を掲げて号令し、リドレイは加護を祈った。
襲撃に備えつつ薄明りの中で目を凝らすと、その正体は人間の身長の半分ほどもある泥のような塊であった。塊は音もなく、じりじりと私たちに近づいてくる。
「スライムだ、焼け!」
ガイオがそう命じるが早いか、カリスが引き絞った大弓を解き放った。
その矢はスライムに見事に突き刺さり、そして水に落ちるかのごとく飲み込まれてゆく。
「無駄だ!焼け!」
あとを引き取ったテレトハの絶叫詠唱に応えて、稲妻がするどくスライムを撃った。汚水の煮こごりのようなスライムの肉がえぐれ焼け、よどんだ沼地に似た悪臭が部屋を満たした。
続けて私もファイアボールを放つと、スライムはかがり火のごとく燃えながらのたうち回り、最後にはその生命力も果てたと見えて、黒い泥だまりとなって床と壁を汚した。
「スライムは殴っても斬ってもダメだ。術士に任せるほかない。」
ガイオが言うと、カリスは不服そうに顔をしかめた。
部屋はすっかり明るくなり、私たちが周囲を確かめつつ前進すると、先の廊下にまたしても数匹のスライムが現れた。
またもカリスが大弓を構えたのを見て私は一瞬正気を疑ったが、彼女がこのたびは光り輝く矢をつがえるのを認め、おとなしくその行方を見守った。
大弓から放たれた光の矢は廊下をまっすぐに駆け、スライムを捕らえ、鋭くえぐり、その汚れた肉をはじけ飛ばした。
私たちは目を見合わせ、ガイオは口の端を上げた。カリスは勝ち誇った顔をした。
私とテレトハは負けじと術の詠唱をはじめた。
電撃と、火球と、光の矢がスライムを蹂躙するたび、廊下は泥だまりに染まり、不快な沼地のにおいが濃くなった。
スライムをすべて処理し終えると、ガイオとリドレイは腰を落として床を念入りに調べ始めた。
「そら、あったぞ。」
ガイオが声を上げた。
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ガイオ 戦士 ○
リドレイ プリースト ○
ぼるぞい 魔法戦士 ○
カリス レンジャー ○
テレトハ メイジ ○
エレクトラ 司書 ○
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金くれ