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デトロ
2022年3月3日 19:58
高校時代のクラブ同窓会があった。疎遠になった仲が良かった友人と再会して、大いに盛り上がった。なかには、さほど親しくしていなかった人物であっても話が合った。数年の年月がお互いを変えたのだろうか。そのうちの一人と、後日、ふたりで飲みに行くことになった。有名企業で働く彼の言葉から始まる。─今、どこで働いてる?─言っても誰も知らない会社さ、バイトだし。─だらしないな。将来の夢とかある?
2022年3月7日 15:08
俺は、バーで独り、ちびちびと飲んでいた。昔の写真を眺めながら。彼女は幼馴染。近所に住んでいて、よく遊んだものだ。昔の写真が良い。最近の写真だと生々しすぎる。彼女といっても、付き合っていたわけではない。よく一緒にいて、そういう雰囲気ではなかった。兄弟という感じだろうか。静寂の中、ドアが開く。男女二人がこの空気に入り込み、カウンター席に座った。軽く周りを見渡して、アルコールの注文を
2022年3月11日 16:18
美和は、別れると、まっすぐ一人暮らしをしているマンションへ向かった。歩きながら、電車に乗っているときも俯いたまま。玄関を開けて入ると、化粧台の前に座った。化粧台の前にあるドレッサー(卓上鏡)で自分の顔を映してみる。その姿は、スローモーションのように顔が崩れると、しだいに涙で見えなくなった。好きなだけ泣けばいいと思った。涸れ尽くすまで。我慢するほど、また、あとでまた辛くなるから。ふた