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病気とつきあう(8)入院生活その5 よく聴いた音楽

3年半前の冬、脳出血で約半年入院、退院して丸3年経つ。そこから始まった心身の変化がいまの生活や行動に大きな影響を及ぼしている。3年ひと区切りで、病を得て何を感じ何を思ったか、何が変わったか、セルフドキュメントとして、少しずつ書いている。闘病記ではなく誰かの役にたつものではないし、楽しい話ではない。興味のある方はおつきあいを。今回は入院中に聴いた音楽の話を。

入院生活での音楽の効用


入院中は何もすることがないと自然気が滅入る。暇つぶしの趣味や娯楽はとても大切だ。心身のリフレッシュとリハビリのモチベーション維持に役立つ。音楽を聴くことで入院生活にすこしだけ彩りが増した。

音楽好き、Appleのお世話になる


こどもの頃から音楽好きだが、自分から積極的に聴き出したのは中学生の頃からだ。好きなアーチストは数多いが、ジャンル不同、新旧不問、洋の東西に関係なく節操なくたくさん聴いてきた。
家でスピーカーで音を出して聴くよりも、ウォークマン的な音楽再生携帯プレーヤーを通勤や外出のお供にしたり、クルマの中でカーステレオで聴くことが専らだった。そんなわけで、2001年にAppleが音楽再生専用のiPod初号機を発売したときは飛びつくように買い、使い倒した。以後iPodシリーズにはずいぶん世話になった。
この数年はサブスク音楽配信のApple Musicにほぼ依存している。過去にMacパソコンのiTunesでCDから取り込んだものや、ダウンロード購入したものも含めてスマホで聴けるので重宝している。病室で無線LAN環境を作った話は前回(7)に書いたが、そのおかげで費用の心配なく、音楽を聴ける環境になった。もちろんスピーカーから音は出さないが。

ランダム再生の効用


入院中も基本はランダム再生で、ライブラリ化した1万曲近い音楽ストックからアプリが勝手に選ぶ曲をそのまま聴いていた。ランダム再生は次に何がかかるかわからないだけに楽しい。曲が変わったときについイントロ当てクイズをしてしまう。ちなみに一時期のiPodにはクイズ機能がついていた。
音楽はタイムマシンなので古い曲がかかるとその曲を聴いていた頃の情景が浮かんでくる。いい頭の体操になった。

昭和のアイドルの曲を聴きたい


病気のせいか、入院環境の影響か、こども時代のことをよく思い出した。見る夢は生まれ育った故郷の野山を駆け回っている小学校入学前後のものばかりだった。入院中特に聴きたくなったのは小中学生時代にテレビで見たアイドルが歌っていた昭和の歌謡曲で、ランダム再生をオフにしてよく聴いた。南沙織、山口百恵、野口五郎、キャンディーズにピンクレディー、植木等や所ジョージのくだらないコミックソングの数々も・・・。Apple Musicはそんな自分の要望にほぼ完ぺきに応えてくれた。

リハビリの応援歌は中島みゆき


励みになったのは中島みゆきの曲だ。人生いろいろな出来事やイベントがあるが、その状況や場面の心情に沿った中島みゆきの曲がほぼ必ずみつかる。今更ながらすごいアーチストだ。
入院中特に聴いた曲を2つだけ挙げると「銀の龍の背に乗って」、「重き荷を負いて」。前者はDrコトーのドラマ主題歌で、サビの部分になると胸が熱くなり泣きそうになった。入院以前は聴いていてそういう気持ちになることはなかったのだが。
後者は2006年のアルバム「ララバイSINGER」中の1曲。療養中の自分にまさにピッタリハマる曲だった。自分が背負う重い荷物は他人には見えない、その人にしかわからないという歌詞は自分の気持ちをよく言い表していた。何度も繰り返される「がんばってから死にたいな~」というフレーズはストレートすぎて圧倒され、背中を押された気分になった。


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